「帰国すれば拘束される」は個人の問題

これは民主主義の基本ですよ。民主主義を守らないガーシー議員は、投票した有権者の負託を裏切り、国民に対して背信行為を働いたのです。

ガーシー議員は帰国を拒む理由として、複数の著名人に対する常習的脅迫、名誉毀損きそん、威力業務妨害などの疑いで警察が捜査を進めていて、帰国すれば不当に拘束される恐れがあることを挙げています。それは彼が、個人で向き合わなくてはいけない問題。国会議員として果たすべき義務とは、いささかも関わりのない話です。

国会議員の懲罰には、軽い順から、公開議場における戒告、公開議場における陳謝、一定期問の登院停止、除名の4段階があります。私が委員長を務める懲罰委員会は2月21日に、2番目に重い「議場での陳謝」を科すことを全会一致で決めました。

翌日の参議院本会議で、委員長である私から懲罰委員会の審議の経過と結果を報告しました。続いて採決が行われ、ガーシー議員に対して国会法第122条第2号による「公開議場(本会議)における陳謝」の懲罰を科すべきと決定されたのです。

陳謝より重い処分は「除名」しかない

「陳謝」というのは、自分で考えた言葉で謝るのではありません。参議院規則第241条によって懲罰委員会が起草した文章を、その通りに読み上げる決まりです。文章は極めて厳しく、本人にとっては屈辱的とも言える内容です。勝手に変更したり削除したり、自分の言葉を付け加えたりすれば、再び懲罰の対象となります。

ガーシー議員に課された陳謝の文章は、次の通りでした。

私は、参議院議員として、国会に登院し、審議に参画すべき立場であるにもかかわらず、議院運営委員会理事会の了解を得ないまま海外に滞在し、国会法第5条及び参議院規則第1条に違反して召集に応じず、議長から招状を受け取った日から7日が経過したにもかかわらず、故なく本会議に出席しなかったことにより、院内の秩序を乱し、本院の信用を失墜させたことは誠に申し訳なく、深く自責の念に堪えません。ここに謹んで陳謝いたします。

国会はガーシー議員に、反省を表明するチャンスを与えました。本人が一度は約束した通りに「議場での陳謝」が実行されれば、一件落着となるはずでした。せっかくの配慮をあだにした行為は、誠に残念でなりません。国会に出てこない以上、「登院停止」にしても実効性がありませんね。陳謝より重い処分は、「除名」しかなかったのです。