国会の威厳を軽んじ、決められたルールを破った
政治家女子48党のガーシー(東谷義和氏・51)参議院議員は、3月8日の本会議を欠席しました。予定されていた「議場での陳謝」は、実行されませんでした。帰国して出席すると明言しておきながら、直前になって逃亡したわけです。
私個人としては、出てくるだろうと予想していましたから、意外でした。ガーシー氏は議員であるからこそ、話題性があるわけです。除名されて一般人になってしまえば相手にされませんから、地位にしがみつくだろうと思っていたんです。
私が委員長を務める参院懲罰委員会は、尾辻秀久議長から付託を受けて14日に委員会を開き、最も重い処分である「除名」とすることを決めました。15日の本会議で3分の2以上の賛成を受け、ガーシー議員の除名が正式に決定しました。憲法58条の、
という定めに従ったのです。国会の権威を軽んじ、決められたルールを破ったのですから、除名は致し方ありませんね。
「登院しないという公約で当選した」は通用しない
「ガーシー議員は、国会に登院しないという公約を掲げて当選し、それを実行しただけでしょう。何が悪いのか」と言う人がいます。そこには、大きな勘違いがあります。
選挙に当選したあと、掲げた公約を実現するには、どうしたらいいか。まず国会に出るしかありません。これは、国会議員として基本の基。なぜなら国会法の第5条に、次の通り定められているからです。
参議院規則第1条にも、こうあります。
国民から選ばれた国会議員は、国会に出る義務がある。これが現在のルールです。公約を実現するには、そのルールを変える手順を踏まなければいけません。「登院はしない。これからは国会もオンラインでいいではないか」と訴えたいなら、まず登院して、現在の法律を変更するという手段を取る以外にないのです。
既存のルールに反する公約を掲げることは、自由です。その公約を支持して28万7000人が投票してくれたと言うならば、その得票に応える意味でも、ルールを変える努力をしなければ筋が通りませんね。現行の法律を変える手順を踏まずにただ欠席を続けるのは、身勝手なルール破りに過ぎません。