「青木の法則」ではすでに危険水域
岸田文雄内閣の支持率が低迷しています。昨年末の世論調査を見ると、毎日新聞(12月17、18日)では25%。自民党の支持率も、同じく25%でした。日本経済新聞社とテレビ東京(12月23~25日)では、内閣支持率が35%。自民党の支持率は40%でした。いずれの調査でも、内閣の不支持率は支持率を上回っています。
かつて自民党の参院幹事長や内閣官房長官を歴任した青木幹雄さんは、「党の支持率と内閣支持率を足して50%を割ったら、政権維持は危ない」という「青木の法則」を唱えました。これに従って毎日新聞の数字を見れば、じゅうぶん危険水域です。
世論調査は質問のやり方によって答えも変わるので、私は一喜一憂する必要はないと考えます。しかし、国民の思いのひとつの指標であることは確かです。岸田総理自身や政府の責任ある立場の人は、しっかり受け止めなければいけませんね。
4人の大臣が更迭された
「政治とカネ」を巡る問題を追及されていた秋葉賢也・復興大臣と、差別発言を繰り返す杉田水脈・総務大臣政務官を昨年のうちに辞めさせたことは、岸田総理の英断でした。
閣僚の更迭は、秋葉大臣で4人目ですが、いずれも大臣個人のエラーです。初めから正直に謝っておけばいいのに、下手な言い訳をして辻褄が合わなくなって、辞めざるをえなくなる。その繰り返しでした。
経済再生担当相を辞任した山際大志郎さんは、東大の大学院を卒業した獣医師です。しかし、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が相次いで発覚するたび、「記憶にありません」を連発しました。
法務相を辞めた葉梨康弘さんは、東大を出て国家公務員の上級職試験に受かって、警察庁に入っています。辞めた原因は、「法相は、死刑のはんこを押す時だけニュースになる地味な役職」と、死刑囚の命を何度もギャグに使っていたことです。
政治資金に関する問題で総務相を辞めた寺田稔さんも東大出身で、上級職試験に合格して大蔵省という経歴の持ち主です。
みなさん、学歴からして勉強はよくしたと思います。けれども地頭がいいかといったら、そうではない。問われているのは、政治家としての器量なんです。