ODA大国の日本だから言えることがある

岸田総理の自慢は「聞く力」です。しかし聞きっ放しではなく、発信と実行が伴わなければいけません。もはや小さな政策の実行では、国民にはピンと来ません。

何より求められているのは、この物価高を止めること。そのために何をしたらいいかと言ったら、ウクライナ問題の解決、停戦しかありません。

物価高騰の理由を辿れば、石油の値段が上がっていること。さらに突き詰めれば、原因はウクライナ情勢だからです。一刻も早く、戦争を止めさせなければならない。独自の停戦案を示して、バイデン大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領に直接掛け合えばいいんです。

日本は、それだけのアクションを起こせる立場にあります。なぜなら、アメリカとは同盟国だからです。戦争が始まるまでは、ロシアとの関係も良好でした。ウクライナには、独立以来3100億円ものODAを出しているんです。どの国に対してもモノを言えるのですから、有効に活かすべきです。

このままでは「サミット花道論」もありうる

ウクライナは日本にとって死活的に重要な国でしょうか。地政学的に見て、ロシア、中国、韓国、北朝鮮は隣国です。国と国は引っ越しが出来ません。隣国とは折り合いをつけて仲良くしていくしかないのです。

北方領土問題を抱える日本は、ロシアとは未来志向で付き合うしかありません。特にエネルギーを中東に頼っているのは日本です。その中東の政情はどうかと考える時、世界で一番のエネルギー資源大国であるロシアとの関係は重要です。

岸田総理は、人当たりはいい。足りないのは必死さ。まなじりを決して覚悟を示す態度です。「私が日本国総理大臣です。国民の皆さん、ウクライナ問題にケリがつけば、物価は下がるんです。私がやります」と宣言して実行すれば、世論はガラッと変わりますよ。

逆に支持率が低いまま、4月の統一地方選挙で敗北すれば、“サミット花道論”が出てきてもおかしくありません。いまこそ、政治家としての胆力が問われています。私は政権と対峙たいじする野党に所属する身ですが、今年は日本の存在価値をもっと世界に知らしめて欲しいと願っています。

(聞き手・構成=石井謙一郎)
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