社長や管理職に求められるのは、組織としての成績
社員を信用しない社長は、社員からも信用されない。社員が社長を信用しない会社は、方針やルールが徹底されない。
だから組織が弱くなります。社員が数名規模の会社ならまだしも、数十名を超える規模の会社では、社員の協力(社長への信頼)なくして、時代の変化に対応することは難しいです。
会社を成長させるつもりがないなら、ワンマンのままでもかまわない。しかし、
「会社を成長させたい」
「何があっても揺るがない組織をつくりたい」
のなら、幹部社員を育てて権限委譲を行い、社長は自分にしかできない仕事に集中する必要があります。
新入社員、一般社員であれば、「何でも、自分でやれる人」が優秀です。
ですが、社長や管理職は、何でも自分でやってはいけません。
社長や管理職に求められるのは、個人の成績ではなく、組織としての成績です。したがって、社長や管理職は、
「部下(社員)に権限を委譲し、仕事を任せ、経験を積ませ、成長させる人」
が優秀です。
代表取締役社長の肩書きには、大きな威力がある
業績の悪い会社の社長には、「2つ」の共通点があります。
①「トップ営業をしたがらない」
②「見栄やプライドがジャマをして頭を下げられない」
「社長の仕事は、決裁すること」だと考えている社長がいます。たしかに、決裁も社長の大切な仕事です。決裁を通して、会社のお金の流れを知ることもできます。
ですが、それ以上に大切なのが、「トップ営業」(社長の営業)です。
会社で「もっとも営業力を持つ人物」は誰だと思いますか?
「社長」です。「代表取締役社長」の肩書には、大きな営業力があります。
それなのに、赤字の会社の社長は、肩書きの威力に気づいていません。経営コンサルタントの第一人者で「社長の教祖」と呼ばれた故・一倉定先生は、
「社長の訪問1回は、営業マンの訪問100回に相当する」
とおっしゃっていました。私もそう思います。
●社長が、「自ら足を運んで営業をする」ことによって、相手の信頼・信用を得ることができる。
●ライバル会社に既存顧客を奪われるのを防ぐ。
●クレームが発生した際、社長が謝罪に出向いたほうが、事態を速やかに収束できる。
●社長が営業に行くと、一担当者ではなく、役職者(決裁権者)に取り次いでもらえる。
●世の中の動きやお客様のニーズを直接、知ることができる。