「本人の意思を尊重しすぎる」親も問題

逆に、「本人の意思を尊重しすぎる」親も、これはこれで問題です。

まだ義務教育の年齢にもかかわらず、子どもが学校に行かずYouTuberになるのを許す親は、社会を生きる上でどのようなリスクが生じるかを、子どもにしっかり伝えていないのです。

親が偏差値的に優秀であっても、こうしたことは起こります。

こういう問題の背景として、親の発達障害の可能性が考えられます。

親の発達障害的なこだわりが、子どもの教育に向けられたとき、子どもは大きなストレスを背負います。

これは臨床場面で頻繁に見られるケースなのです。

子育ては「ある程度」で十分

現代の親は求められることが多くて大変です。ただ、大変ではあっても、決して不可能ではありません。

子育てに正解はありません。だから難しいのですが、逆に言えば、ある程度できていれば、それで十分なのです。

親子の会話の時間を持つ。
子どもの好きなこと、得意なことに目を向け、応援する。
世の中のしくみや、これから必要なスキルなどの話をする。

など、社会人としての経験があれば、誰でも知っているようなことでも、子どもにとっては貴重な情報なのです。

親子
写真=iStock.com/yamasan
子育ては「ある程度」で十分(※写真はイメージです)