画像加工の仕方で年代がわかる
例えば、Instagramで「#○○好きさんと繋がりたい」のハッシュタグで検索するとします。するとそこにはたくさんの画像や動画が表示され、その中から共通点がありそうな人を探していくのですが、膨大な数の投稿を全て見ていくわけにもいきません。
Z世代は、まず画像写真の撮り方や加工テイストに目を向けます。そして写真の撮り方や画像加工の仕方で、好きな世界観が似ているかを判断します。さらには相手の年代が自分に近いかも見極めるのです。
感覚的に目星をつけたら、そのアカウントのホーム画面にアクセスし、過去の投稿をチェックしながら、相手についての情報を集めていきます。「友達になりたい!」と思えたらフォローをして、交友関係のスタートラインに立ちます。その後はDMで何度か会話のラリーをすることで、相手のデモグラフィック情報や人間性への理解を深め、交友関係を構築していくのです。
インタビューでは、「やり取りの中で、いきなり“タメ語”(友達口調のラフな言葉づかい)で話しかけてきたら、常識がないなと思って距離を取った」というシビアな声もあるように、人をふるいにかけている実態も浮かび上がってきます。SNS上での友達は、リアルの友達のような無条件な関係ではなく、お互いの目的が明確なことが多いのもポイントです。
「ビジュアルコミュニケーション」ネイティブの世代
ここで注目すべきは、Z世代の写真や動画から読み取る情報と、その量の多さです。写真や動画を介したコミュニケーションを「ビジュアルコミュニケーション」と呼びますが、SNSネイティブであるZ世代は、このスキルに非常に長けています。そして、SNSで友達を作る際にもこのスキルを発揮しています。
これまでも多くの若者から、SNSで自分と気が合いそうな人を見つけ、過去の投稿をチェックすることで仲良くなれそうかどうかを判断するという話を耳にしました。また、オフラインで友達と初めて会った場合でも、SNSでのビジュアルコミュニケーションを重視しています。
ここでまた皆さんにお聞きしますが、初めて会った方とさらに仲良くなりたい、と思った際に最初に交換するものは何ですか? 電話番号やLINEなどのような連絡ツールだったり、Facebookを思いつく方もいるかもしれません。
Z世代はというと、初対面の友達と最初に交換するのはInstagramのアカウントであることが一般的です。なぜかというと、Instagramは写真や動画を中心にした自己紹介ツールとしても活用されており、これまで投稿している写真や動画からお互いの人となりを知ることができるからです。