月額1.5万円で風俗嬢アカウントを運営

また、リアルに風俗嬢が持っていた人気アカウントをスカウトがMAX10万円程度で買い取ることもある。買い取ったとしても実際にアカウントを運営するのはその風俗嬢だ。ツイートを全部消去してアカウント名もスカウトに変えるといったことはしない。

あくまでも「とある風俗嬢のアカウント」とフォロワーたちに思わせなくてはいけないのである。面倒になって辞めたというが、アユも1アカウントにつき月額1万5000円で4つのアカウントを同時に運営していた。そのなかにはより濃い情報を発信するために複数の風俗嬢でアカウントを共有しているものもあった。

國友公司『ルポ歌舞伎町』(彩図社)
國友公司『ルポ歌舞伎町』(彩図社)

「スカウトには“何も気にせずに自分のアカウントだと思ってつぶやけ”って言われていました。風俗嬢っぽいことを風俗嬢として普通にツイートしてればいい。それでお金もらえるならまったく苦じゃないのでみんなやるんです」「これはスカウトが風俗嬢に運営させているアカウントです」といくつかプロフィール画面を見せてもらったが、どう見ても風俗嬢の個人アカウントにしか見えない。実際にツイートしているのは風俗嬢本人なのだから当たり前だ。

やりすぎると怪しまれるので“いい感じに”ホストで豪遊する写真や稼いだ札束の写真など、稼いでいることをアピールするツイートを交ぜていく。某前澤氏のように金配りキャンペーンまでしているアカウントもある。するとフォロワーの風俗嬢たちから、「どこの店に行けばそんなに稼げるんですか?」とDMが来るというわけだ。

「どこの店かはちょっと言えませんが、私のスカウトさんならいい店を紹介してくれますよ」と返せば、あとはスカウトの思い通りである。むしろ、そのDMの返信すらスカウトが行っていることもある。

整形している風俗嬢に運営を依頼することも

アユはTwitter経由でスカウトの案件が成立しても、バックはもらえなかったというが風俗嬢への成功報酬が発生しているアカウントもあるだろう。

さらに風俗求人のツイートを思い出したようにリツイートする。貼られたURLかLINEの友だち登録をするとスカウトに繋がる。しかし「風俗求人のリツイートが多すぎるアカウントは下手くそ。ナチュラルではないと思います」とアユは言う。自分から風俗求人をリツイートしてしまうのではなく、風俗嬢からDMが舞い込んでくるように仕向けないといけないのだ。

より戦略的なスカウトは、アカウントごとに性格を持たせているという。アユがアカウントの例を挙げてくれた。

・ホストに大金をつぎ込んでいるアカウント
・整形に金をつぎ込んでいるアカウント
・バンドマンを追っかけて貢いでいるアカウント
・ヒモの彼氏を養ってあげているアカウント
・男や整形には目もくれず、ただひたすらソープで愚直に稼ぎまくるアカウント

「整形に金をつぎ込んでいるアカウント」は、本当に整形に大金を使っている風俗嬢に運営してもらっている。「とうとう整形したよ~!」と、手術の内容がわかる写真をアップしていれば、まさかスカウトのアカウントだとは思わないだろう。「ただひたすらソープで愚直に稼ぎまくるアカウント」は玄人感があって個人的にはもっとも好きだ。なんだか応援したい気持ちになり、日々見守ってしまう。

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