「ウサギの角は何本あるか」

7.「真の問題」か「疑似問題」かを分ける

あなたが思い悩み、感情を乱している問題は、はたして本当に悩むべき問題なのでしょうか? 以前、私が必要以上に上司の顔色を窺っていた話も、悩まなくてもいいところで悩んでいたわけです。

人は得てして、本当の問題ではないことに心を砕いてしまいがちです。本当の問題らしく見えて、そのじつ取り組むべき問題ではないものを、あえてここでは「疑似問題」と呼びます。

じつは本来の意味での「疑似問題」とは、問いの仮定や前提が間違っているため、答えがそもそも存在しない問題を言います。

たとえば「ウサギの角は何本あるか?」という問いは、ウサギには角がないので意味がありません。このように前提がそもそも間違っている問題を、「疑似問題」と呼びます。

しかし、ここではそこまで厳密な意味ではなく、「いかにも問題に思えるけれども、本質的な問題ではない」という意味で使っています。その意味での「疑似問題」が、今の世の中には溢れているのです。

「ジム選び」の前に「人間ドック」と考えられるか

たとえば「ダイエットしたいのだけどAとBのどちらのジムがいいか」という問いが、あったとしましょう。しかし、これは本質的な問いでしょうか? ダイエットしたい、すなわちその目的は「体重を落としたい」、もっと言えば「健康になりたい」ということでしょう。

ジムでトレーニング
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

そうすると、本当に大事な問題は「健康になるためには何をすればいいか?」ということです。すると、その解答は、人間ドックで徹底的に見てもらうことであったり、食事に気を使うことであるかもしれません。

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日常の仕事の中でも、疑似問題に惑わされることがあります。企画書をつくるのに、やたらに体裁にこだわる人がいます。パワーポイントで、何枚もチャートをつくり込んでしまいます。

しかし本当に大事なのは体裁ではなく、企画の内容です。ところがきれいに図解して、何ページかのボリュームが必要だと考えてしまう。内容より形にこだわってしまう。結構ありがちだと思いませんか?

これも一種の疑似問題と言えるかもしれません。本来エネルギーを割かなくていいことに割いてしまう。それによって悩んだり感情的になってしまう。

疑似問題か、それとも真の問題かを見極め、分けるにはどうすればいいでしょうか? それは前にも挙げた、仕事の目的をしっかり持つこと。それに照らし合わせることで、その問題が本当の問題であるかどうかが分かるはずです。

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