ペットを家族同然に可愛がる人が多い現代だが、特に集合住宅などで飼っている場合は、死んだ後のことも考えなくてはならない。埋葬だけでなく、希望すれば通夜や読経まで取り扱うサービスもある。

業者に頼む場合はまず火葬するのが一般的。ペットの火葬には大きく分けて、民間の葬送業者と自治体が行う「合同火葬」と「個別火葬」の2種類がある。民間の葬送業者の場合は、飼い主がペットを、火葬施設を備えた霊園に持ち込む例や、飼い主が立ち会わず、遺体を引き取ってもらい、遺骨を届けてもらう例もある。また、移動火葬車がやってきて、車載された炉で訪問火葬する場合も。オプションでは、本格的な豪華祭壇、また通夜や読経まで人間並みのさまざまなサービスがある。

「火葬費用や葬儀内容は、火葬方法や業者によって大きく違いますから、見積もりを複数取ることです。ペットの大きさや重さを告げれば、ある程度の相場を知ることができます。法外に高い料金には注意。ペット仲間のクチコミ情報やかかりつけの動物病院に相談して、業者を紹介してもらって検討するのもよいでしょう」とファイナンシャル・プランナーの和田雅彦氏は語る。

参考までに、民間業者の「常憲社」では、犬の火葬料金は、一任葬(お迎え→寺院で個別火葬→自宅に返骨)、および立会葬(飼い主は自分で火葬場へ移動→寺院内火葬場でお別れ→火葬→収骨)で、小型(1キロから5キロ)が2万1000円、中型(5キロから15キロ)が2万6250円、大型(20キロから35キロ)が4万2000円。家族送迎付立会葬(お迎え→寺院到着→寺院内火葬場にてお別れ→火葬→収骨→自宅へ送迎)が、小型で2万9400円、中型が3万6750円、大型が5万8800円だ。

最近では、個別火葬に、飼い主や家族が立ち会う「立会火葬」を望む飼い主が増えている。個別火葬より1万円から2万円程度高くなるが、人の火葬と同じように、お骨を拾って骨壷に入れ、持ち帰ることができる。