将来を左右するお金の問題は、お金を払ってもファイナンシャル・プランナー(FP)にきちんと相談したい、と考える人が増えているようだ。では、本当に役立つアドバイスを得るには、どんな点に注意すればいいだろう?
「まずは相談の目的を明確にしておくことが大切です」と語るのは「家計の見直し相談センター」を主宰する藤川太氏。漠然と「将来のお金のことが不安です」というだけではアドバイスができない。目的をハッキリさせるだけで第1回の相談が終わり、「では次にこんな資料をお持ちください」ということになってしまう。特に相談料が時間制なら無駄は大きい。
家計の見直し相談センターでは、申し込み時に相談内容を確認したうえで、事前に質問シートを送っている。そこに、相談の際に必要な資料(源泉徴収票や保険証券、ねんきん定期便など)も記載されている。
有効なアドバイスを得るには、こうした資料を持参して正確な情報を伝えることが欠かせない。情報が少し違っているだけで、プランが大きく変わることもある。だが、なかには収入や生年月日さえ教えたがらない人もいる。
「それでは責任あるアドバイスはできないので相談をお断りすることもあります」(藤川氏)
また、相談には夫婦揃って行くのがベター。なかには子ども連れで来る人もいるという。小学校高学年以上なら説明が理解できるし、進路について自分自身で考えるきっかけにもなる。
目的の達成に向け、FPはライフプラン表を作成するなどの作業や検討を行う。提案の際は、「プランを複数準備して、パソコンの画面で条件設定を変えながらご説明します」(藤川氏)。
FPアソシエイツ代表の神戸孝氏も複数のプランを提案する。
「収入アップ、経費削減、資産運用などあらゆる手段を検討し、それぞれの切り口からベストの方法をご提案します」