新宗教の今後
スマホ社会において新宗教が再生されていく可能性はほとんどない。フランスの社会学者、エミール・デュルケムが指摘したように、宗教と集団的な熱狂とは深く結びついている。以前の新宗教にはその熱狂があった。スマホの映像で熱狂することはあるかもしれないが、それは個人の熱狂で、集団的なものではない。新宗教のなかで、唯一信者の数を増やしているのは真如苑だが、ここは組織活動を奨励しておらず、本部には毎日多くの人が集まってくるが、熱狂の面は欠けている。熱狂がないからこそ、この教団は信者を増やしてきたのだ。
新宗教の幻想の政治学は、スマホにそれを提供する役割を奪われた。陰謀論は、これからも人々を魅了していくのかどうか。鍵はそこにある。