チョコ好きの心理をどこまで考えたか

【桶谷】「チョコまみれ」はチョコレート好きの心理を見事にとらえていると思いますが、そこはかなり掘り下げて考えられたのではないですか?

【板橋】いや、そこはあまり考えませんでしたね。

【桶谷】そうなんですか? 実は消費者の深層心理を探るために、「○○の星に行ってみたら」というお題で絵を描いてもらうという調査手法があるんですよ。たとえばチョコレートなら「みなさん、チョコレートの星に行ってみましょう」といって、対象者に「チョコレートの星の絵を描いてください」とお願いするんです。実は、これがチョコレート好きの人に描いてもらった絵です(見せる)。

チョコレート好きな消費者が描いた「チョコレートの星」
チョコレート好きな消費者が描いた「チョコレートの星」(画像提供=桶谷功)

これを描いた人は、「チョコレートの星では建物も全部チョコレートでできていて、川にはチョコレートが流れてて、子どもも大人もそこに飛び込んではしゃいでる。遊んでいるうち、口にチョコレートが入ってきちゃうんですよ」と説明してくれましたが、これぞまさにチョコまみれ。だから私は「チョコまみれ」をお店で見たときから「これはチョコレート好きの心をわしづかみだろう」と思っていたんです。でも別にそこまで考えていなかったんですね。

「ぬぅ~~~~~ん」は工場にあるチョコレートの沼から

【菊池】われわれは工場でどんなふうにつくっているか、実際に見ているので、商品の製造過程を知っているじゃないですか。よくテレビなどでも紹介されていますが、まさしくチョコの沼みたいなところに商品が潜っていくんですよ。

【福田】チョコの沼の上に、さらに流れるチョコのカーテンみたいなものがあって、その下をくぐっていくんです。

商品開発部 ビスケット課 課長 福田達也さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
商品開発部 ビスケット課 課長 福田達也さん

【桶谷】なるほど、みなさんの潜在意識にはチョコレート製品の製造工程がしっかり入っているので、それが出てきたんですね。