24年間お世話になった日本経済新聞社を退社・独立して1年が経った。衝動にかられて辞めたわけではない。かねて私は「新聞」が500年ぶりの大変革期を迎えていると考えていた。その中で、経済専門紙である日経新聞はまだ優位性があると見ていたが、業界全体の地盤沈下の中で、残念ながらそれも難しいと見切ったのだ。

ドイツで印刷された世界最古の新聞「レラツィオン」。

もっとも縮小均衡の経営でいけば、私の60歳定年(2022年のはずだった)までは世間相場以上の収入は得られただろう。だが、縮小均衡の組織の中では面白い仕事は望めないし、ジャーナリストの命である「自由」は保てない。