自治体による産後の補助金に助けられた

そんな環境で助かったのは、自治体が補助を出してくれる「産後ケア入院補助」と「産後ドゥーラ補助」である。前者は、産後ケアのための入院について一定金額の補助を受けられる制度。病院では、夜間は赤ちゃんを預かってくれて(希望すれば昼も預かってくれ、授乳のタイミングだけ赤ちゃんの世話をするということも可能)、3食昼寝付きで、しっかり身体を休められる。しかも、赤ちゃんの状況を医師に相談でき、助産師に母乳や母親自身の身体についても相談できて、心も体も休まる。

病院のベッドで赤ちゃんを抱き、看護師の手を握る母親
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ただ、この「産後ケア入院」は保険対象外であり、全額自己負担なので、1日3万円ほどかかる。1週間も過ごせば21万円(!)にもなる。となると、身体を休めたくても、金銭的ハードルもあり享受しにくいサービスになる。私が住んでいた自治体では、7日間までは約9割を補助してくれたのは本当に助かった。

産後ドゥーラは料理を作り置きしてくれる

後者は、赤ちゃんのお世話と家事をしてくれる産後ドゥーラに、格安で仕事の依頼をお願いできる制度だ。ベビーシッターとの違いは、同時並行で家事支援もしてくれることや、産まれてまもない赤ちゃんのお世話をするには資格が必要なのだ。彼女たちが家に来てくれて、料理の作り置きをしてくれるのは本当に助かった。もちろん、産後ドゥーラとの相性もあるが、信頼できる方とのご縁に巡りあえたのも本当にありがたかった。そして、こうした政策は女性だけでなく育児参画中の男性にもありがたい施策であり、家庭平和に貢献してくれる。

ただ、こうした自治体の施策を知らずに享受できない人がいることも事実だ。私は出産前に通っていたマタニティースイミングの友人たちに制度を教えてもらい、どの病院、どのドゥーラさんがオススメなど、積極的に情報交換した。産前から社会とのつながりの重要性を痛感した。この施策だけで、さあもう一人産もうと背中を押されるかは定かではないが、少なくとも産後を巡る不安が解消され、育児への恐怖はかなり和らいだ。