CASE3「子ども至上主義」の妻
「子どもが生まれてから、妻は以前とはすっかり別人になってしまいました」と話すのは結婚8年目、商社のアパレル部門で働くK太さん(41歳)。同じ職場で知り合った4歳年下の妻との間には、6歳と2歳になる子どもがいる。
K太さんによれば、まだ結婚前に付き合っていた頃、妻はとてもオシャレで、メイクもファッションもとてもよく似合っており、デートをしていても街を歩く女性たちの誰よりも輝いていたという。
二人は2年間の交際期間を経て結婚し、二人の子どもを授かった。一見、順風満帆に見える結婚生活だが、最近はK太さんが不満を募らせている。
「あんなに素敵だった妻が、子どもが生まれてから一変し、昔の面影すらなくなってしまった。同じ年代の男性の収入と比べても、経済的に苦労させてはいないはずなのに、なぜ妻がああも変わってしまったのか不思議で仕方がない」
K太さんの話によると、妻は、毎日ノーメイクで、髪をひっつめている。着るものも、毛玉のついた同じフリースを羽織り続けている。
「『どうしてメイクをしないの?』『なぜオシャレをしないの?』と聞いても、『子どもがいるからに決まっているでしょ。メイクやヘアアレンジに時間をかけたところで、どうせ子どもにグシャグシャにされちゃうし。洋服も同じ。子育て中にオシャレなんて無理だから!』などと、けんもほろろ。たぶん、マジメな性格の妻は、専業主婦とはいえ二人の子育てに余裕がないんだと思います」
K太さんの不満は食生活にも及ぶ。
上の子は好き嫌いが多く、気に入ったメニューしか食べようとしない。そのため、朝食は甘いパンとヨーグルト。夕食のおかずはだいたいいつもオムライスかウインナー炒めと決まっている。
「私は和食も好きだし、たまにはスパイシーなカレーだって食べたいんです。これまでも我慢してきましたが、まだ下の子は2歳なので、まだあと何年間もこんな感じの食生活が続くと思うと憂鬱です」
朝、会社に行く時も、夜に帰宅した時も毎日同じ、ノーメイクでひっつめ、毛玉のフリースで気乗りのしない食事を出し続ける妻を見て、後悔の念が生まれているそうだ。
「自分で選んだ人生ですが、ときどき『これでいいのかな』と思わなくもない」と自嘲気味に笑うK太さんにも、やはり秘密があった。
「会社の先輩にすすめられ、ふざけ半分でやってみた既婚者専用のマッチングアプリで知り合った彼女と不倫関係になって7カ月たちます。子どもはかわいいので離婚はあり得ませんが、会えばドキドキするような男女の関係でデートができる不倫もやめられそうにありません」