お騒がせロイヤルのハリー王子とメーガン妃。Netflixのドキュメンタリー作品の中で過去最大級の視聴率をはじき出した『ハリー&メーガン』で2人は「連中は兄を守るために平気でウソをつく」「オオカミの餌にされた」などと発言。23年1月にはアメリカでハリーの自叙伝『SPARE』が発刊予定で王室への闘いはこれからが本番との見方もある――。

なぜハリー&メーガンはお騒がせロイヤルになったのか

エリザベス女王が2022年9月に亡くなった英国王室には、これまで何人ものお騒がせメンバーが登場した。目下のお騒がせ王族といえば、なんといってもハリー王子(ヘンリー王子)とメーガン妃だ。動画ストリーミングサービスNetflixで独占配信中の『ハリー&メーガン』も、同社のドキュメンタリー作品で最大級の視聴率をあげたという。

そもそも同作品が配信される前から放映されていたオフィシャルトレーラー(予告編)からして、扇動的だった。

「人種に対するヘイトがある」(友人談)
「王室に嫁ぐ女性たちは、とてつもない苦労をする」(ハリー談)
「悲劇を繰り返したくなかった」(ハリー談)
「私はオオカミの餌にされてたの」(メーガン談)
「連中は兄を守るために平気でウソをつく」(ハリー談)
「私たちが望んでた家庭を築くことができる」(メーガン談)

といったコメントがつながれたもので、全体的に不穏な空気が流れている。

これらを見る限り、本編ではメディアも真っ青のスクープでもあるのかと期待してしまう。

しかし実際には、2人の相思相愛ぶりとお惚気のろけ、息子・アーチーや娘・リリベットとの家族団欒、メーガンの上昇志向と強烈な自己愛ぶり、そしてハリーが母ダイアナ元妃の事故死にいまだ苦悩する姿などの方が目を惹く。もちろん、王室やパパラッチ批判はあるが、すでに世間に知られたものがほとんど。予告編から想起されるほどの“爆弾”はなかった、期待されたほど面白くないという意見も多い。

英国在住歴30年、イギリス全土にわたって公認ガイドを行う塩田まみさんは言う。

「2人は結婚、王室離脱から現在に至るまで、さまざまな誤解、批難、差別を受けていると語っています。それらは主にメーガン妃に対するもので、誤解を解いてネガティブなイメージを払拭したいというのが狙いだそうです。しかし、具体的に彼らはどうしてほしいのか、今後どうしたいのかが、いまひとつ不明瞭だと思いました」

イギリス王室を離脱して、経済的自立を目指さざるをえないハリーには、Netflixとの莫大ばくだいな契約金は魅力的だった。しかし、エリザベス女王の死去により、父チャールズが国王になり、風向きが変わった。決定的な発言は削除する、という判断になったのかもしれない。

そこで、なぜこのカップルがお騒がせロイヤルになったのか、整理してみたい。