意識高い系のメーガンが絶対に許せない「肌の色」発言

国籍差別以上にメーガンが許せなかったのが、自身の混血のルーツを話題にされたことだろう。長男のアーチーを妊娠した時、「生まれてくる子の肌の色はどんなだろう」と、とある王室メンバーに懸念されたことに憤慨したのは当然だ。

ハリーは、それが誰であるかは絶対言わないと宣言。『ハリー&メーガン』では、誰なのか暴露されると予想されていたが……。

冒頭で、メーガンは強烈な自己愛の持ち主と書いたが、決して悪い意味だけで表現したわけではない。

ロサンゼルスのミドルクラスの家庭に生まれ、世界大学ランキング2022で24位の名門・ノースウェスタン大学を卒業して2つの学位を取得。その後、在アルゼンチンアメリカ大使館でインターンを経験した。ハリウッド女優としては一流と言えないまでも(二流に近いが)、まあまあの成功を収めた。そこまで行き着くには、相当な努力をしたのだろう。それゆえ、自尊心もべらぼうに高い。

アメリカ・シカゴのノースウェスタン大学
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また、人種問題だけではなく、幼い頃からジェンダー平等にも目覚め、“フェミニスト”を自称する。

世界最大の消費財メーカー・P&Gの食器用洗剤のCMで「アメリカ中の女性がフライパンや鍋の油と格闘している」というキャッチコピーに、なぜ女性だけが格闘するのかと疑問を持ったのが11歳の頃。メーガンはニュース番組のキャスターや、当時の米大統領夫人だったヒラリー・クリントンに手紙を書いて、この女性差別コピーに異議を唱えたそうだ。その結果「アメリカ中の女性」が「アメリカ中の人々が」に変わったというエピソードを『ハリー&メーガン』の中で語っている。

アフリカ系アメリカ人の妃は、開かれた王室の証

塩田さんも、メーガンに対して嫌悪感はない。

「アフリカ系のルーツを持つメーガン妃は、ハリー王子の妻としてそれほど条件が悪い相手とは思えません。個人の意見はさておき、多様なルーツを背景に持ち、バリバリのフェミニストのメーガンが妃になるのは、開かれた王室の象徴になりえます。なぜなら、イギリスを中心に経済・軍事同盟を結ぶ英連邦諸国には、インド、アフリカ諸国やカリブ諸国が含まれます。これらの国々の人々はもはや差別する相手ではなく、大事な運命共同体の構成員なのです。しかもハリー王子は将来国王になる可能性が低いので、そこまで結婚相手に神経質にならなくてもよかったのです」

それでも、以前に比べてジェンダーや人種差別が少なくなっているとはいえ、いまだに根深い問題であることに変わりがない。

「メーガン妃の人種差別問題よりも、イギリスで大騒ぎになったのは、故エリザベス女王の元側近だったスーザン・ハッシーさんの事件です。バッキンガム宮殿の集まりに呼ばれた黒人慈善活動家のンゴジ・フラニさんの出自を、スーザンさんが執拗しつように問い詰めました。ンゴジさんが生まれも育ちもイギリスだと答えているにもかかわらず、です。ただ、私は大げさに騒ぎ立てている気もしますね。イギリスはアメリカに比べて人種差別はない国だと思いますが、実際にはいろいろとあるわけです」