・骨粗しょう症リスクを高める
お酒を飲むと、アルコールの利尿作用により用を足す回数が増えます。この時、尿とともにカルシウムも排出してしまうため、飲酒は男女ともに骨粗しょう症のリスクとなります。
もともと骨粗しょう症は女性に多く、男性の3倍とも言われています。特に更年期以降の女性は、骨の代謝に関わる女性ホルモンの分泌が減少するために、骨がもろくなりやすくなります。お酒を飲むと、カルシウムを多量に排出してしまうため、骨粗しょう症リスクに拍車がかかります。また、過剰な飲酒は骨密度を低下させることもわかっています。
・妊婦の飲酒は胎児に影響する
妊娠中の飲酒は、胎児の先天異常の原因となります。これは「胎児性アルコール・スペクトラム障害」と呼ばれ、生まれてきた子どもに特徴的な顔貌や発達の遅延が認められることがあります。その他にも、低体重児や早産、流産のリスクも高まります。妊娠がわかった時点で飲酒をやめること、妊娠中は少量の飲酒もしないことが肝要です。
女性特有のリスクに留意を
昨今は、「在宅勤務の流れで早い時間から飲酒をしてしまう」「家で長い時間飲み続けることが習慣化してしまった」などのケースが見られ、過剰な飲酒につながりやすい状況とも言えます。健康を損ねるような飲み方を控えるべきことは、男女ともに変わりありませんが、女性の場合は男性よりも飲酒の「適量」が少なく、女性特有のリスクもあります。
お酒が好きな女性はもちろんですが、一緒に飲酒する男性にもこの点を知っておいてほしいと思います。これらを理解したうえで、節度ある飲酒に努めていただきたいと思います。