情報収集フェーズを代表する会議といえば、ヒアリングやブレーンストーミングだ。プロジェクトを成功に導くためには、後の決定フェーズで必要になる情報を、この段階で洗いざらいすくいあげておかなくてはならない。ところが、積極的に意見やアイデアを出すよう促しても、期待どおりに情報が集まらない場合がある。そこで活用したいのが、「ロジックツリー」や「二軸マトリックス」といったフレームワークだ。

フレームワークとは物事を把握・分析するための枠組みを指す。白紙の状態では何も思い浮かばない人でも、その枠組みを頼りに思考を深めることができる。

オフィス移転プロジェクトで、新オフィスのレイアウトについての要望をヒアリングするとしよう。このとき「部門」と「スペース」の二軸でマトリックスをつくれば、「A部門―執務スペース」「B部門―資料スペース」といった箱ができる。漠然と意見を求められたときは何も思い浮かばなかった出席者も、「その箱に入るのは何か」と考えることで意見を出しやすくなる。会議の初めあるいは事前に、フレームワークを用いた資料を配っておけば、出席者も頭を悩ませずにすむだろう。

フレームワークの活用は、主催者側にもメリットが大きい。出席者から得た情報をフレームワークで整理すると、まだヒアリングできていない情報や、すでに意見が集中してこれ以上聞く必要のない情報が浮かび上がってくる。

仮に「C部門―打ち合わせスペース」の箱が空欄になっていたら、ヒアリングに漏れがある証拠だ。このような場合、決定フェーズに入ってから新たな情報が追加されると、議論の前提が覆ってしまう可能性も出てくる。フレームワークを使って漏れや偏りをチェックしながら議事進行すれば、そうしたリスクを軽減できる。

情報収集フェーズの議事録には、意見出し・アイデア出しに使ったフレームワークをそのまま記載すればいい。会議で出たアイデアや意見を順に並べた議事録を見かけるが、単に羅列しただけでは、それらの情報がどのような視点で出されたのか、会議に参加しなかった人に伝わりにくい。

結果を出席しなかった第三者と共有できない議事録は役に立たない。誰が見ても議論の内容と結果が一目で把握できるように、枠組みを使って上手に整理すべきだ。

(構成=村上 敬)
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