積み残した課題のうち、対応策や担当者が決まっているアクションを追いかけるのはそれほど難しくない。実行の期限を議事録に明記しておけば、ずるずると引きずることはないはずだ。

厄介なのは、対応策や担当者が決まっていない未解決事項、つまりイシューだ。イシューが放置される原因はいろいろある。まず考えられるのは、課題が大きすぎたり漠然としているケースである。どこから手をつけていいのかがわからず、担当の押し付け合いが起きてしまうのだ。

誰も手を挙げないなら、イシューオーナー(未解決事項自体の担当者)を決めてはどうだろうか。イシューオーナーの役割は課題そのものの解決ではなく、実行役である担当者を選定することである。つまり未解決事項をアクションに落とすか他者にオーナーを移管した時点でお役御免となる。それでも出席者が尻込みするなら、課題が放置されたときにもっとも困る人をイシューオーナーに指名するしかない。少なくとも、アクションの担当者になるより負担は小さく、受け入れられやすいだろう。

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図2 シナリオが重要な「発散型」、議事録が重要な「収束型」

イシューをアクション化するにあたっても期限は必要だ。たとえば「そろそろ弊社もツイッターで何かやろう」といった話が出て、そのままになっていたとする。これもイシューの一つだ。このように漠然としている場合、期限を区切らないとなかなか前進しない。あまりに漠然としてつかみどころがない場合は、「Aさんはツイッターの利用実態調査、Bさんはマーケティング活用事例の収集」というように、課題を分解して複数の担当者に割り振ってもいい。

イシューを継続的にチェックする仕組みがないことも、放置される原因の一つだ。イシューを議事録に残してもいいが、議事録は会議ごとに作成するため、過去にどのような未解決事項が発生し、現在どこまでアクション化されたのかは時系列では追いづらい。

そこでおすすめしたいのが、「イシューログ」(未解決事項のリスト)をつくることだ。イシューログは議事録と別に作成して別々に運用すれば、会議を重ねて議事録のファイルが分厚くなっても、イシューが埋もれる心配はない。

イシューログは会議主催者や事務局がフォローして、会議のたびに進捗を確認する。新たにイシューが発生したら、随時追加していけばいい。ここまで徹底すれば、積み残した課題がプロジェクトを足止めすることもないはずだ。