時間をかけた割にいいアイデアが出なかったり、結局は何も決まらず次回に持ち越しになったり。このように実りのない会議に悩んでいる人は少なくないはずです。どうして会議が思うように進まないのか。その原因は、最初に目的を明確にしていないことにあります。

目的を共有していれば迷走しない

目的を共有していれば迷走しない

会議の構造を分解してみると、「目的・目標(WHY)」「議題・アジェンダ(WHAT)」「運営方法(HOW、WHEN、WHERE、WHO)」というピラミッド型になっていることがわかります。何のために集まるのかという目的が最上位にあり、それにしたがってテーマや進め方、日時や場所、メンバーなどが決まります。

ところが実際は、もっとも重要である目的を明確にしないままスタートする会議がほとんど。その結果、出席者が思い思いに目的を頭の中で設定して、話があちこちに飛んだり、主催者の真意とは違う方向に進んでしまいます。

仕事を進めるうえで目的が重要であることは、多くの人が理解しているはず。にもかかわらず、その基本が会議になると忘れられてしまう原因として、ひとつには「目的」と「議題」が混同されやすいことが挙げられます。

仮に、会議の冒頭で「キャンペーンについての企画会議です」と確認したとします。一見会議の目的を示しているようですが、これはたんなる議題です。同じ企画会議でも、アイデア出しの会議と、決裁者にプレゼンしてゴーサインをもらう会議では目的が異なります。議題はあくまでも目的を実現するための手段にすぎません。両者をはっきりと区別することが大切です。

会議の目的と議題が区別できているかどうかを簡単にチェックするポイントがあります。目的は「行為(Do動詞)」ではなく、「状態(Be動詞)」であるべき。もしDo動詞のままであれば、それは議題です。

「収束系」と「発散系」では運営方法も変わる

「収束系」と「発散系」では運営方法も変わる

登山にたとえるとわかりやすいかもしれません。600メートルの山に登るのと、3000メートル級の山に登るのとでは当然、装備もペースも違います。「山に登る」という目的をDo動詞で示されるだけでは、出席者はどのような準備をしてどのようなペースで進めばいいのか迷ってしまいます。しかし、「今日は五合目まで登った状態にする」と最終形がBe動詞で明示されていれば、その心づもりで歩きだせます。会議を始めるときには、その会議で目指すべき状態を設定して全員で共有する。これを実践するだけで脱線などの不要な混乱は減らせるはずです。

目的によって、会議の種類はおおまかに2つに分けられます。出席者から意見を募った後、特定の方向に収束するという流れで行われ、最後にまとめることを重視した「収束系」の会議と、幅を広げることを重視した「発散系」の会議です。

収束か発散か。どちらに軸足を置くかによって、会議の進め方は異なります。何らかの結論が求められる収束系の企画会議なら、「今回は企画案を1つに絞るところまで進めます」というように、初めに目標地点を示し、会議の中盤からは議論を収束させる方向に持っていきます。逆にブレーンストーミングに代表される発散系なら、「次回の叩き台として企画案が30個出れば合格」と最初に確認し、出席者全員がアイデアを発表しやすい場をつくることが大切です。

いずれにしても会議の成否は、目的の明確化と、その共有にかかっています。目的が判然としない会議は、やってもムダ。主催者はそのくらいの覚悟で会議を設計すべきです。

(構成=村上 敬)