会議の案内をメールで送るとき、関係者全員に何気なく同報で送信している人は多いかもしれません。しかし、これは会議を混乱させるもとです。会議をスムーズに進行させるには、本当に必要なメンバーだけ出席してもらえばいいのです。
よくあるのが、本当は異議がないにもかかわらず、自分の存在感を示すために反対のための反対意見を出す人です。こうした人を出席させても、会議は無意味に滞るだけです。
また相性の悪い2人の決裁者がいて、同席すると対立することが目に見えているケースもあります。確固たる合意がほしい場合、たとえ相性が悪い2人でも合意に至るまで徹底的に話し合ってもらう必要がありますが、時間優先の会議なら、どちらか1人だけに来てもらって暫定的に結論を出したいところです。
多様性を重視する発散系の会議でも、出席してもらわないほうがいい人がいます。たとえば若手主体のブレーンストーミングに、顔色を窺わなくてはいけない上司が出席していると、どうしても場が重くなり、若手にとっては自由に発言しづらくなります。本人に悪意はなくても、目的実現の妨げになりそうな人にはご遠慮願いたいものです。
とはいえ、会議を内密に行うのは問題です。人を動かして仕事を進める際には、「RATIONAL(合理的)」「EMOTIONAL(感情的)」「POLITICAL(政治的)」という3つの視点が必要です。ビジネスは合理性だけで動くものだと錯覚しがちですが、実際は3つのバランスが取れないと前に進みません。
これは会議も同じです。出席してもらう必要がないからといって、会議を内密に行って相手の自尊心を傷つけたり、社内的な立場を損なうようなマネをするのは厳禁です。後から決定事項を覆されるなどして、かえって当初の目的から遠のく恐れがあります。
そこで有効に使いたいのが、「CC」で宛先を指名した案内メールです。CCで案内が届けば、会議の存在を知らせつつ、相手に出席の必要がないことを伝えられます。
ただし、いきなりCCで送りつけると不快感を示す上司もいるでしょう。その心配がある場合は、事前に根回しをしておくことをお勧めします。「今回はお忙しいようなので、このメンバーで話を進めておきます」とあらかじめ説明しておけば、余計な波風も立ちにくくなります。
いずれにしても、思いつく人すべてを「To」に入れた同報送信はやめるべきです。まずは会議の目的に立ち戻って、それに適した出席者なのかどうか、一人ひとり照らし合わせて考えてみる。そのうえで慎重なメンバー選びを心がけることをお勧めします。