合格点を最初に確認しておく

合格点を最初に確認しておく

会議の議事録やまとめのメモには、一般的に決定事項だけを記載することが多いようです。ただ、本当に記録として残しておきたいのは反対意見のほう。じつは反対意見にこそ、会議で得た結論を実行に移すためのカギが潜んでいます。

収束プロセスにある議題が合意間近になると、ネガティブな意見はほとんど出なくなります。会議の進行を考えるとありがたいことですが、出席者がみな同じ方向を向いている状況は、ある意味で危険です。まだ表面化していないリスクを見落としていたり、以前に指摘されたリスクが放置されている可能性があります。

成功を確信していたプロジェクトが失敗するケースは珍しくありません。原因のひとつに詰めの段階で議論が甘く、リスクの洗い出しや対応に抜け漏れがあったことが挙げられます。本来であればゴーサインに近い段階においてほどネガティブな意見にスポットを当て、リスクを潰しておくべきなのです。

それを意識するために習慣づけてほしいのが、議事録の付帯事項として反対意見を残すというルールです。もちろんリスクを書きっぱなしではいけません。目的はあくまでリスクを事前に潰すことであり、その対応策まで一緒に記してこそ意味があります。時間内に対応策を煮詰め切れない場合もありますが、そのときは次回の議題にすればいい。どちらにしても対応策がないままプロジェクトの実行に移るというミスを減らせるはずです。

ただ、発散プロセスにある会議で反対意見を付帯事項として残すことについては必ずしもお勧めしません。発散の段階で「前例がない」「リソースが足りない」などとリスクを強調されると、せっかく出てきたアイデアが勢いを失ってしまいます。また、ネガティブな意見を記録するとなると、万が一失敗したときに備えてエビデンス(証拠)として反対意見を残そうとする人が現れます。

発散系の会議は、ただでさえ「できない理由大会」になりがちです。そうした傾向を助長しないためにも、議事録やメモにはポジティブな意見を中心に記載したほうがいい。反対意見は記録に残らないことが徹底されれば、ネガティブな意見は自然に出にくくなって、より柔軟なアイデア出しが期待できます。

(構成=村上 敬)