南雲医師の一日の食生活

私は毎朝、ゴボウスープにMCTオイルを入れたものをとったあと、夕食までとくに食べません。昼食はとると眠くなって仕事に専念できなくなるためとりません。

その間、お腹の脂肪がミトコンドリアによって燃焼し続けてくれるので絶好調で働けます。口が寂しいときはミックスナッツを食べます。そして夜、お腹がグーッとなったら腹一杯食べるのです。もちろんせっかくここまでがまんしたのですから、体に悪いものは食べません。新鮮な野菜とお肉を心ゆくまで楽しむことにしています。

健康な身体に必要な4つの必須栄養

お腹が3回グーッとなったら食事タイムです。せっかくここまでミトコンドリアモードを維持して体が健康になったのに、食べるものにこだわらなければもったいないですよね。

ここでとりたいのは「必須栄養」です。

必須栄養とは「体の中でつくることができないので、外からとり入れなければいけない栄養」「生物が生きてゆくために摂取しなければならない栄養」のことです。

具体的には「ビタミン」「ミネラル」「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」の4つです。私たちの体の中で燃焼してエネルギーになる栄養には「糖質」「タンパク質」「脂肪」の3つがありますが、糖質はタンパク質や脂肪からも作ることができるので必須栄養ではありません。

さっきまで生きていた野菜や小魚を丸ごと食べれば、生物が生きてゆくのに必要なすべての栄養を含んでいるわけですから「完全栄養」です。

新鮮なイワシ。野菜と魚。プレート上の地中海の魚
写真=iStock.com/mythja
※写真はイメージです

穀物や豆やナッツも地面にまけば芽が生えて成長しますから、これも完全栄養です。牛乳も赤ちゃん牛がこれだけを飲んで成長できるのですから、すべての必須栄養を含んだ完全栄養。卵もここからヒナが生まれるのですから完全栄養です。

ところが私たち人は食物を食べやすく見栄えがいいように精製してしまいます。米は玄米のままなら生きていますので、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維が豊富な完全栄養です。しかし白米にしてしまうとただのデンプン、栄養価が低く太るだけの食べ物になってしまいます。

ニンジンや大根も皮を剥いたら栄養価がいちじるしく下がりますし、魚も切り身にして、皮も残してしまえば部分栄養です。

必須栄養をすべて含んだ完全栄養でいただくためには「穀物は全粒で」「魚は皮ごと骨ごと頭ごと」「野菜は皮ごと葉ごと根っこごと」調理するよう心がけてください。