学校行事や習い事でも、ドバイならではの学びが
「子供たちの能力を正当に評価する点がドバイの学校のいいところです。校内ミュージカルでは、何日にもわたる激烈なオーディションがあります。参加する生徒たちは皆、お目当ての役をもらうために必死に練習し、人気の役を巡って熾烈な戦いを繰り広げるのです。日本の学校はなるべく優劣をつけないようにするとか、子供たちも人前で褒められるのを嫌がると聞きました。でも、こちらでは公正に評価するので、人気の役を勝ち取った生徒は誇らしげです」(祥子さん)
奏太くんは、残念ながら希望の役は獲得できなかったが、他の役でミュージカルに参加できたのはいい経験になったようだ。
ところで本国イギリスではコスプレイベントが多く、老若男女を問わず、個性的な衣装を着て闊歩している。
GFSでも各イベントに合わせてコスプレで登校することが多い。例えば奏太くんは半魚人、考古学者、アラブ人男性の伝統衣装の格好をしたり、詩子ちゃんは人魚姫、妖精、医者の格好をしたりとバラエティーに富んだスタイルに挑戦。本人たちは楽しそうだが衣装を用意するのは親なので、準備が大変だ。
「衣装を人から譲り受けたり、お面のデザインをネットから拾って、それを基にプリントアウトして手作りしたりと、結構手間がかかりますが、楽しみました」(秀己さん)
コスプレでも、競争意識をむき出しにする子もいるとか。
「エリザベス女王のプラチナジュビリー(即位70周年記念)を祝うコスプレデーで、クラスに女王の格好をしている女の子がいてびっくり! 彼女はベストドレッサー賞を受賞していました」(奏太くん)
さすが女王の国(取材当時)の学校だ。裾の長いドレスや手作りのティアラ姿はなかなかの風格だったとか。
また、奏太くんも詩子ちゃんも、お稽古事に熱中している。奏太くんはピアノと野球、詩子ちゃんはピアノとバレエを習っている。
「受講料は1カ月2人で5万~6万円ほどで、日本よりも少し高いと思います。でも、本人たちが楽しんでやれるのならお金は惜しくないです。普段の生活では出てこない単語を使った会話をするので、英語の勉強にもなります。それもまたお稽古事のメリットでしょう」(祥子さん)