※本稿は、『プレジデントFamily2023年冬号』の一部を再編集したものです。
明治大学農学部生命科学科出身の俳優・山本美月さん
大学では理系学部で学んでいたので、数学も得意だったように思われるのですが、実はそうでもなくて……(笑)。ただ、小学校のころの算数は、好きというより得意でした。
「親に勉強しろと言われたことがない」っていう人がいますけど、うちは普通にガンガン言われていまして(笑)、公文にも通っていました。何年生からだったっけ? 自分の意思で通い始めたわけじゃないので、よく覚えていません(笑)。
でも、公文では、2年上の学年まで進んでいたので、学校の算数で苦労したことはありません。テストはいつも100点でしたし、百マス計算ではクラスで1番でした。
その代わり、といっては何ですが、国語は本当に苦手でした。物語文の読解に出てくる「登場人物の気持ち」というのが本当に難しかったです。人の気持ちっていろいろだし、そういうあいまいな、グレーな感じがどうも苦手でした。
その点、算数は答えが一つ。そう今でも、ムシもヘビも平気です。見たことがないムシに出合うと、写真を撮って祖父に送り、名前を教えてもらったりしています。
高校生になったころ、iPS細胞とかクローン技術とかが話題になっていました。クラゲの蛍光たんぱく質の研究で下村脩先生がノーベル化学賞をとったのもそのころなのですが、私はすっかりその世界に憧れるようになりました。研究者になりたい、と思ったのです。誰も知らないことを発見するって、わくわくしますよね。学校の課題にあった論文では、遺伝子をテーマに書きました。
その後、明治大学農学部生命科学科に入学したのですが、受験のときの小論文の問題がとてもユニークでした。
「水槽があります。水草、砂、そしてたくさんの魚が泳いでいます。あなたはこれらから、何を研究したいですか」と。
生物の教科書で学んだこととは関係ない問題で、驚いたことを覚えています。私の解答ですか? 確か、「温度や水圧やエサなどの条件を同じにして、最も生命力の強い魚を割り出し、食糧問題を解決する一助としたい」といったようなことを書いたと思います。