日々、健康情報がネット上に大量に出回っている。プライオリティの高い栄養摂取法は何なのか。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは「特に意識して取ってほしい栄養素は2つ。ひとつは、筋肉や皮膚をつくり、ホルモンや脳の神経細胞の材料にもなるタンパク質、もうひとつは骨の組成に関わり不足するとシワ・たるみの原因になるカルシウムです」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023年冬号』の一部を再編集したものです。

生卵
写真=iStock.com/chengyuzheng
※写真はイメージです

今さら聞けない正しい卵の食べ方

毎日の食事は栄養バランスが大切ですが、特に意識して取ってほしい栄養素が二つあります。

その一つはタンパク質。

筋肉や皮膚など体をつくるのに欠かせず、ホルモンや脳の神経細胞の材料にもなるため、成長期の子供に取らせたい栄養素ナンバーワン。肉、魚、卵などさまざまな食材に含まれていますが、食の細い子供の場合、十分に取れていないことが多いのです。

そこで工夫したいのが調理法です。

たとえば、卵は1個につき約7gのタンパク質が含まれていますが、固ゆで卵にすると体内での吸収率がダウンしてしまいます。タンパク質を最大限取り込むには、半熟卵や温泉卵が最も適しているのです。火の入れ方で違いが生じるのは、タンパク質に凝固する性質があるため。調理でかっちり固まったタンパク質は、腸内で吸収されにくくなるのです。

ほかの食品にも同じことがいえて、牛肉のステーキなら焼き加減はウェルダンよりもミディアムレアがベター。柔らかく火を通したローストビーフもオススメです。

「だったら、卵も生がいいのでは?」と思うかもしれませんが、生卵は例外。生のままでは吸収しにくく、少し加熱するのがポイントなのです。余談ですが、昔、映画『ロッキー』で主人公が栄養補給に生卵5個を一気に飲むシーンがあり、「温泉卵ならもっと効率よく栄養を取ることができるのに」と思いながら見ていた記憶があります。

肉の生食に関しては食中毒の危険も潜んでいます。鶏肉にはカンピロバクターという細菌がいるので、レアで食べるのは厳禁。豚肉も中まで十分に火を通すのが鉄則です。

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