風俗店で「お金があって優しいおじさん客」を探す

「ホス狂いは、おじさんからお金を取ることになんの抵抗もないです。だまして貢がせて、既婚おじさんの家庭が壊れようが、おじさんの子どもの人生が狂おうが、だまされたモテないおじさんが自殺しようが構わない。おじさんが借金しようが家を売ろうが関係ないわけです。とにかくホストに貢ぐお金をつくりたいって、それだけ」

ホストクラブに行くお金をつくるため、風俗や街娼をする女性たちはこれまで『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)で紹介した。若い女性を求める中年男性に、肉体を提供してその対価をもらうだけでは上限がある。ホストクラブで他の女性に勝つためには、それではお金が足りない。さらに稼ぐために、寂しい心を抱える中年男性を恋愛状態にさせ、そこからお金を引っ張ることまで企んでいる。

夜の東京の輝く街並みでポーズをとる若い女性
写真=iStock.com/maruco
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「どこでおじさんを見つけるかというと、風俗店で探しているケースがいちばん多い。風俗客は寂しいおじさんがたくさん来る。風俗嬢になって、お金があってめちゃめちゃ優しいみたいなおじさんを探すんです」

客の収入が高い傾向があり、十分なコミュニケーションがとれるのは高価格帯のソープランドだ。

「生涯未婚系のほうが純粋でだましやすい」

「狙いのおじさんを定めたら、連絡先を交換してつながる。女からアフターとかデートを誘って、交流してガチ恋させる。自分のことを好きにさせて色恋でお金を引き出す。

お金を引き出す理由はそれぞれ。学費が必要とか、親が病気になったとか、結婚をチラつかせるとか。手段を選ばないで嘘を言って、同情させてお金を出させる。おじさんは既婚者でも独身でもいいけど、生涯未婚系のおじさんのほうが純粋なのでだましやすい。既婚者は奥さんとか子どもがいてそれがストッパーになるし、奥さんから訴えられても面倒くさいから」

風俗での就労収入と色恋での収入でダブルインカムとなる。稼ぎながらカモを探すことができるので、ホス狂いたちはこぞってソープランドで働く。

彼女たちがターゲットにする団塊ジュニア世代、バブル世代の男性たちは男子校で育っている者も多い。女性に幻想を抱いたまま年齢を重ねると、悪い女性が存在するということを知らない。清楚な風貌をした若い女性に少し優しくされると、すぐになびいてしまう。

女性慣れしていない性格のいい優しいおじさんを見つけて、自分に恋愛感情を抱くように誘導し、好意を確信したところで仕掛ける。同情を誘う嘘をつき、演技しながらお金を無心し、その足で担当のいるホストクラブに駆けつける。