小さい場所から着手しよう
では、どこから手をつけていけばよいのか。おすすめは、洗面所や玄関など「小さい場所」です。なぜなら、洗面所と玄関はお父さんが気づくから。通常の片づけはキッチンから着手することをすすめていますが、実家に関しては、キッチンは片づけてもなかなかお父さんには気づいてもらえない。洗面所と玄関なら、お父さんも使うから、きれいになっているとわかるわけです。
洗面所については、明らかに使っていない洗剤やヘアケア用品、化粧品などを整理して、いらないものは処分する。特に化粧品は2年たつと劣化しますから、そういったことを伝えてあげましょう。
玄関は履く靴と履かない靴を、親と一緒に確認して、履かない靴は手放します。そして、よく履く靴は、いちばん手に取りやすい位置に置いてあげる。
靴のチェックをすると、親の健康状態がわかるのもメリットです。親が今、どれぐらい体が動くのか、どういう靴なら歩きやすいかなどを確認できて一石二鳥なのです。
ただし親の物忘れが激しくなっている場合は、場所を大きく変更しないこと。なるべくオープンな収納で、わかりやすくしてあげたほうがいいでしょう。
必ずありかを確認しておきたい3つのもの
実家の片づけがある程度、進んだら、ぜひ置き場所を確認しておいてほしいものがあります。それは私自身も知っておいてよかった次の3つです。
(2) 通帳、保険証書、年金手帳
(3) 入院用品
まず親が亡くなったときに、(1)と(2)がないと、手続きできません。それぞれどこにあるか聞いて、まとめておくとよいでしょう。(3)入院用品はパジャマや下着、タオル、スリッパ、歯ブラシ、マグカップ、はしセットなど。
親がいざ入院というときに、あらかじめ入院用品がまとめてあると、あちこち探さずにすみます。ただ親御さんが準備をいやがるケースもあるので、とりあえず、ありかだけはチェックしておきましょう。ボストンバッグやスーツケースも、どこにあるか確認しておくと、あとあと便利です。