パワポを作る前にまず相談すること
小寺さんはそれでも頑張ってしまう部下に対しては「早めに相談に来いよ」と言います。
「担当した仕事を、どの段階で上司に相談するかがとても大切なポイントなんです。トヨタのような大企業だと、カチッとしたものを作って、それで説明しないと上司に怒られてしまうと考えがちです。
ほんとはそんなことはないんですけれどね。部下はパワポで20、30枚作ってから、『これでどうですか?』と説明に行く。でも、パワポで30枚も作るには時間がかかる。2週間くらいかかるかもしれません。
そうして全面却下ってこともないとは言えない。KINTOではパワポを作る前、ひらめいた瞬間に持ってこいって言ってます。やわらかい状態で持って来ていいんだぞ、資料を作る前にまず相談に来い、と。
口頭で、こういうことをやりたいんですと言ってきたら、それで方向性を出してあげる。その後、詳細を詰めてやるかやらないかを考える。あえて会議ではない、やわらかい打ち合わせです。
2枚目で「ああ、だめだ」と思うこともあるから…
うちの場合、それがほとんどですよ。いちばん困るのが『オンラインで資料共有します』と連絡が来たとたん、パワポが30枚とか40枚とかある。うわ、今日、全部開いて見なきゃいけないの……。開いてみて、2枚目で、ああ、これはだめだって思うことがあるんですよ。もう、どうしようか、と。
30枚分のパワポを作る時間をかける前に、なんで最初に相談に来てくれないんだろうって思うんです。今はもうそういうことはなくなりましたけれど。上司と部下が一緒になって考えて、作り込めば方向も間違えることは少ないし、ムダが減るんです。それに、上司としては現場のプレーヤーでいる楽しみもある。だから、やわらかいうちに持ってきてもらったほうがいいんです」