よく眠っている子ほどテストで高得点をとる
子どもが睡眠障害をわずらうなんて、避けられるものなら避けられるようにしてあげたいものです。
睡眠不足は子どもの深刻な問題とも大きくかかわりがあることがわかっています。
たとえば、ADHDや肥満になったり、ひんぱんにケガをしたり、体調を崩したり、さらには成長障害を引き起こすことがあるのです。
また学校の成績にも大きく影響します。
2005年にアメリカの『スリープ』誌に掲載された研究は、教師が睡眠不足の子どもを「忘れっぽい」「注意力が足りない」「新しい情報を理解するのに時間がかかる」と評価する傾向にあることを報告しています。
子どもが大きくなればなるほど問題も深刻になります。たとえば、睡眠障害のある思春期間近の子どもは、留年する確率がほかの子どもよりも高くなるのです。
逆によく眠っている子どもは得をしています。いろいろな研究が行われていますが、いずれにおいても、よく眠っている子どもほど成績がよく、認知能力テストでも高い点をとるという結果がでているのです。
実際、十分な休息がとれているかどうかによって、将来その子が学校で優秀な成績をおさめるかどうかを、ほかのどの要素よりも正確に予想できます。
親の学歴や家庭環境、収入、社会的立場にかかわらず、子どもがよい睡眠習慣を身につけられるようにしてあげれば、学業の面で有利になるのです。
眠ることは怠けではない
これまでいろいろな面から、赤ちゃんの睡眠について見てきました。だんだんと睡眠の大切さを痛感してきたのではないでしょうか。
もう、眠ることが怠け者につながる悪いことだなんて、思いもよらなくなっていることでしょう。
ふと、昼寝を犠牲にしてでも、なにか教育によさそうな経験をさせてあげたほうがよいのではないか、そんな考えが頭をよぎって、迷うことがあったら、ぜひ次のことを思いだしてください。
赤ちゃんにとって、すべてがはじめてづくし、学びなのです。
赤ちゃんにとってみれば、世界全体が未知のものであふれています。特別なことをしなくても、たくさんのことを学ぶことができます。
自分の手足を眺めたり、家族の声を聞いたり、安全で単純なおもちゃや身のまわりの日用品で遊んだり、キッチンからただよう夕食の香りをかいだりするだけでも、そこには学びがあります。
そうです、赤ちゃんの脳に必要なのはいうまでもなく良質で十分な睡眠です。
できるだけたくさん寝かせてあげましょう。