打開策②決めた予算は厳守する

さて、次は年間支出の大削減です。

まず着手したのが、各費目の削減。食費は予算をぼんやり決めていたものの、守れていなかった。そこで「できればこうしたい」ではなく、「いくらと決めたら厳守する」と、覚悟を決めてもらいました。

聡子さんが買い出しに行く店は、駅前の高級スーパーが多かった。そこで総菜やスイーツも買っていたため、3人家族で食費が外食込みで11万1000円でした。ママ友ともランチ会をしていたので、テイクアウトやスイーツの購入、そしてランチの頻度などを減らし、2万5000円の削減に成功。

次に、月6万5000円かかっている教育費。当時年長のお子さんに、リトミックやピアノ教室、くもん、絵画教室など多数の習い事に行かせていました。実はこれらの習い事は、聡子さんが、ママ友との交流機会を増やしたいという目的もあったそうです。1日数時間のパート勤務以外は母子二人きりなので、子供との時間を持て余ため、行かせていたとも話します。

とはいえ、習い事が多いことも疲れにつながっていたので、お子さんと話をして通うものを絞り、公園で遊んだり、友達と遊ぶ時間を増やしたりしました。これで習い事代が約9000円減額できました。

そして、月2万円の被服費。ランチ会など外出機会が多いと必然的に奥さまの被服費も増えますが、その頻度を減らしたため、服を買う量も減り、1万円の減額に成功しました。もともと節約意識があり、H&Mやワークマンなどでプチプラ商品を買っていたようですが、安いからと色違いでまとめ買いしてしまう癖もあったようなので、予算を決めて本当に着たい服に絞ってもらうことに。

H&Mのショッパーを持つ女性
写真=iStock.com/AnthonyRosenberg
※写真はイメージです

打開策③投資の掛け金を減らして、現預金の配分をUP

かくして、合計7万円もの削減に成功しました。電力会社の見直しなど細かい節約に目が行っていた聡子さんですが、大きな固定費(教育費)や変動費(割高な食費やランチ会ほか)に手をつければ、いかようにも減らせるのです。

とはいえ、生活水準が高めの世帯がここまで思い切って削減するのは、相当ご苦労されたと思います。それでもまだまだ削れる余地はある。もう一押しです。

大きな変化としては、余剰分が7万円増えたことで、月の家計の黒字が12万円になったこと。その中から、臨時出費用の預貯金5万4000円をためながら、iDeCoの掛け金はそのまま、つみたてNISAを少し減らして、積み立ては6万6000円継続しています。

そして、相談当初から2年経過した今。貯金は300万円から130万円ほど増え、430万円程度に。何より、預貯金が目減りせず、増え続けていることが目覚ましい進歩です。順調にいけば、23区内への住み替えも現実的になるでしょう。ただ、転居したことで、一度下がった生活水準がまた上がらなければいいのですが……。

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