部下の「特にありません」を掘り下げるフレーズ

「やってみてわかったことを教えて」。

そんな問いに「特にありません」という回答が返ってきたとしても大丈夫。次の例のように、さらに掘り下げてみてください。

「Aさんは特にないって言うけれど、もし何か“収穫”があったとすると、それはどんなことでしょう? 会社にとって不都合なことでも構わないので、思い出してみて」
「うーん。ちょっと言いにくいんですが、競合と比べてお客さまが不十分だと感じているポイントを教えてもらいました。それを聞いてセールスしにくくなっちゃいました……」
「なるほど! それは開発部と共同で改善すべき大事な発見だと思います」

このように「収穫」を掘り起こす質問・問いかけは「壁打ち」(自分の考えなどを人に話し、そこから返ってくる反応を元に、さらに考えを深める手法)の一種とも言えます。

ビジネスの提案をする女性
写真=iStock.com/maruco
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会議で責めるトーンではなく、学習・収穫を引き出すトーンでこの「壁打ち」を行うことで、チームの「話しやすさ」「挑戦」因子が高まります。

想定外は学びの宝庫と捉える

実際のところ、私たちが仕事をしているこの時代には、多くの「うまくいかないこと」や「想定外のこと」が起き続けます。

それはもはや避けようもない前提となる時代です。

失敗やトラブルに落ち込んだり、反省したりすることに時間を使っている場合ではなく、「想定外」のことすら「変化に気づき、軌道修正するための学びの宝庫」だと捉えるといいでしょう。

この「おかえし言葉」を参考に、たとえ想定外のことでも「現実」から情報を掘り起こし、「わかったこと」をチームで共有し、学びへ変えていきましょう!