糖質、タンパク質、脂肪のどれが一番太るか

ミトコンドリアモードを維持するためには糖質を制限して、タンパク質や脂肪を摂ってください、というと「太りそう」という方がいらっしゃいます。

「摂取カロリーが多いと太る」といわれていますが、本当でしょうか。

南雲吉則『体を冷やせば健康になる』(光文社)
南雲吉則『体を冷やせば健康になる』(光文社)

実際、糖質は1グラムが4キロカロリー、タンパク質も4キロカロリー、脂肪は倍以上の9キロカロリーもあります。

では、それぞれ100グラム食べたら、糖質とタンパク質と脂肪のどれが一番太ると思いますか?

多くの方はカロリーの一番多い脂肪だといいます。それでは、最新の栄養学で解説しましょう。タンパク質は脂肪に変換されないので、いくら摂っても太りません。

糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓すいぞうからインスリンが分泌されます。それに反応して、脂肪の細胞膜にある「糖輸送体」というタンパク質が、糖質を脂肪細胞内にとり込んで脂肪に変えるため、糖質を摂ると太ります。

では脂肪はどうでしょうか。脂肪を摂ると脂肪細胞の中にある「ホルモン感受性リパーゼ」という酵素が働き、脂肪を分解して栄養素として血液中に放出し始めます。そのため、脂肪を摂ったときが一番痩せるのです。

ただし、脂肪と糖質を同時に摂ると真逆なことが起こります。末梢血管の内皮細胞にある「リポタンパクリパーゼ」という酵素が働き、血中の脂肪を分解し、脂肪細胞に押し込んでくるので、太るのです。

カロリーではなく栄養素で食事を選ぶ

そもそもカロリー計算というのは、カロリーメーターという断熱材の箱の中でものを燃やしたとき、どのくらいの熱量が出るかを測定したものです。

確かに脂肪を燃やせば熱量を発します。同じようにガソリンを燃やせば熱量を発しますが、栄養にはなりません。箱の中で燃やして熱が出たとしても、体内では燃焼しないことが多いのです。すなわちカロリー計算そのものが間違っています。

食事を選ぶときは、それが何キロカロリーかよりも、糖質か、またはタンパク質や脂肪であるかによって選んでください。

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