また、腸内環境の悪化と密接な関係があるといわれるうつ病。そのうつ病に悩む方が、コロナ禍になって増えたという話を聞きます。これも今、多くの方の腸内環境が乱れているということを象徴しているといえるかもしれません。

今現在は、コロナ禍が落ち着き、それまでの日常に戻りつつありますが、戻ったことによる環境の変化がストレスになり、より腸内環境を悪化させることも考えられますし、そもそも、コロナ禍で悪化した腸内環境が急によくなることはありません。

さらに悪化してしまい深刻な事態に陥らないよう、今、腸内環境を整え、ヘトヘトになっている腸を元気にしておくことが大切なのです。

おならが異常に臭いのは腸が疲れている証拠

しかし、「最近、腸が疲れている」と実感することは、あまりないと思います。

ひどい便秘や下痢が何週間も続けば、「さすがに何かおかしいのかも……」と思うかもしれませんが、数日間だと気がつかない、もしくは気がついても放っておくという方も少なくないのではないでしょうか。

私が診る患者さんも症状がひどくなってからクリニックを訪れる方がほとんどです。その放置がどんどんと腸を疲れさせ、「やる気がでない」「体がだるい」「風邪などの病気にかかりやすくなる」「やせられない」「肌が荒れる」「よく眠れない」といった、体と心の不調を引き起こします。

さらには、うつ病や大腸がんといった病気につながる危険性も高まっていくのです。そうならないためにも、早めに腸の疲れに気がつくことが大切です。たとえば、起きたときに、おへそのまわりを触ることを習慣化してみてください。

いつもより冷たさを感じたら、腸が疲れている可能性があります。おならが異常に臭いのも、腸が疲れている危険性が……。ぜひ、「腸疲労チェック」を試してみてください。簡易的なものですが、腸がどれだけ疲れているかをはかる目安になるはずです。

腸を整える最高の栄養素

腸を整えて元気にするために運動と食事に気をつける必要があります。食事のほうが新しい習慣をはじめるわけではなく、食生活を見直すだけなので、取り組みやすいかもしれません。

「善玉菌が含まれているヨーグルトなどの発酵食品を食べて腸内環境を整えて、腸を元気に!」といった内容の言葉を耳にしたことはないでしょうか。腸内には、さまざまな種類の腸内細菌がすんでおり、その数は100兆個、重さにすれば1.5kgほどあるといわれています。