管理職コースの部長と、専門職コースのシニアスペシャリストは同等の職務等級となります。ここでいうスペシャリストとは、単純に得意分野に特化することを指すわけではありません。研究職であればその分野の第一人者となるような研究者であることが求められますし、資格保持者であれば自らの市場価値を示す必要があります。
たとえば、ブリーダーのような特殊な職業の場合は、企業価値を高めたり、ノウハウを伝承したりする能力が求められます。
どの道を選択しても、ペイ・フォー・パフォーマンスの考えに基づき、社員の市場価値に対して適正な報酬を支払うという考え方は同じです。また、いずれのコースに進むかについては、もちろん個人の選択ですから、会社から指示はしません。
キャリア自律を求めるなら働き方の選択肢を増やすべき
カゴメがこれらの生き方改革の先に見据えるものは、会社と社員の対等な関係づくりです。キャリア自律を謳いながら、会社が社員に対し意に沿わない異動や転勤をさせたり、社員のプライベートに配慮せず働く場所や時間を固定したり、副業を禁止したりするのでは矛盾が生じます。
会社は多様な「働き方のオプション」を社員に提示し、社員は自らの必要性に応じてそれらを選択・活用します。ハードとソフトが円滑に機能することで、社員ひとりひとりが自分のキャリアを自分で決めることが当たり前になってきます。
こうした環境の中で社員は仕事を通じて会社に価値を提供し、適正な報酬を受け取ります。これにより、本当の意味で会社と個人は対等な関係となり、顧客への価値提供をともに目指すパートナーになれると考えます。