「外ではマスクを外していい」と訴えても届いていない

週刊文春が追及している寺田稔総務相の「妻が代表の政治団体が、地元秘書らへの報酬の支払いをめぐり、長年“脱税”状態になっていた」問題では、寺田総務相は、妻もその収入を申告し納税していると説明したが、妻の確定申告書の公開には応じなかった。

秋葉賢也復興相は、自身が代表を務める政治団体の2017年の政治資金収支報告書に、近親者への高額で不可解な寄付があると追及され、一部書類を予算委に提出することを約束させられた。

岸田首相が長男を総理秘書官に起用したことも追及され、人事の見直しをといわれたが、「総合的な判断から適正だったと考える」と答弁するにとどまった。

こうした問題のほか、狂乱物価、急激な円安、安倍元首相の国葬、防衛費の増大など、この政権では手に余る難問が襲いかかっている時、岸田首相では心もとないという不信感が、支持率にはっきり現れている。

10月17日に発表されたANNの世論調査では、支持率が33.1%で不支持率が40.9%。まさに政権末期のような惨憺さんたんたる数字である。

私が、国民が岸田首相の言葉を信用していないと感じたのは、マスク発言だった。岸田首相は、外ではマスクを外していいとテレビを通して国民に語りかけたが、なぜ今なのか、コロナは本当に収束に向かっているのかについて、丁寧な説明はしなかった。

私が見ている限りでは、外を歩いている人の中でマスクを外している人はごくわずかである。岸田首相の言葉は国民に届いていないのだ。

文春は「岸田ボンボン政権は私物化の総合商社だ」

さらに、インバウンド欲しさに、外国からの観光客を検査なしで入国させたうえに、GoToトラベルに懲りたかと思ったら、今度は、旅行支援と称してカネをばらまき始めた。

そのために、行かなきゃ損だと、大挙して観光地などへ人が押し寄せ、第8波の危険性が高まっているといわれる。

10月16日は、東京都内で新たに2714人が新型コロナウイルスに感染していると発表された。1週間前の日曜日より471人増えたという。

コロナ感染者がまた増え、この冬流行するといわれるインフルエンザが加われば、政府の無策を非難する声はさらに高まるはずである。

そんな中、週刊文春(10/20日号)は時宜を得た特集を組んだ。タイトルは「長男、妻、愛人 岸田ボンボン政権は私物化の総合商社だ」

政権に逆風が吹いているというのに、岸田首相は何を考えたのか、長年仕えてきた秘書官を退任させて、自分の長男の岸田翔太郎(31)を首相秘書官に起用した。その理由を官邸関係者がこういっている。