「~のほうがいいよ」「~比べるとさ」はNG

ケース2 比較する

【相手】「お洒落な店とか行きたい。けど、会社の帰りとか居酒屋になっちゃいますね」

【自分】「居酒屋はチェーンですか? どこに行っています?」

【相手】「近所の庄やが落ち着くので好きかな」

【自分】「庄やもいいけど、磯丸水産はもっといいよ」

否定に似ていますね。非常によくない返答です。「近所」で「落ち着くから」という理由を挙げているにもかかわらず、関係ない磯丸水産をだして比較しています。この場面で比較する必要性が一切ありません。これが音楽や映画になると、もっとわかりやすくなります。

たとえば一緒に鑑賞した『千と千尋の神隠し』をすごく楽しめたのに、相手が観ていない「『ハウルの動く城』と比べるとさ……」みたいなことを言いだしたら、せっかくの映画鑑賞が台無しでしょう。相手が肯定している物事は、なにかと比べてはいけないのです。

自分語りはせず、すぐに聞き手に徹するべき

ケース3 自分の話をする

【相手】「お洒落な店とか行きたい。けど、会社の帰りとか居酒屋になっちゃいますね」

【自分】「居酒屋はチェーンですか? どこに行っています?」

【相手】「近所の庄やが落ち着くので好きかな」

【自分】「僕は断然、磯丸水産派。肉より海鮮が子どもの頃から好きでして」

途中で自分の話にすり替わり、話し手と聞き手が逆転してしまいました。聞くことを軸としたコミュニケーションで、この流れはありえません。これをしてしまったら、もうどうにもなりません。話をしたかった相手は辟易し、すぐ沈黙となります。「HHJの三大悪」を肝に銘じる自分の話を絶対にしてはいけないわけではありません。

相手から質問されたときだけは、聞かれたことに答えましょう。自分の話を長引かせたり、余計なことを話さないように、相手に聞かれたことも簡潔に返します。そして、なるべく早い段階で、話を戻して聞き手のポジションに戻りましょう。

ビジネスイメージ、男女の裏図
写真=iStock.com/chachamal
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否定する。比較する。自分の話をする。これらは、会話も人間関係も破綻させる恐るべき行為だと理解してもらえたでしょうか。筆者はこれらの行為を「HHJの三大悪」と呼んでいます。三大悪を絶対にしないと心がけ、日々意識して実践するだけで会話の成功率は飛躍的にアップします。