日本は世界有数の雪大国だ。積雪量も降雪量も世界一の記録を持っている。気象予報士の森さやかさんは「冬が暖かくなると雪は増える。地球温暖化により、日本海側は今後さらに記録的な大雪にさらされる可能性がある」という――。

※本稿は、森さやか『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)の一部を再編集したものです。

北海道の冬の風景
写真=iStock.com/pangjee_9
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積雪記録世界一になっている滋賀県の山

その昔、寒さが豊かさを表わすという偏見から、「雪」が先進国の象徴とみなされる時代があった。だから海外向けの日本の紹介写真には、決まって雪景色が登場した。それは何も雪が綺麗ということだけではなく、先進国であるというアピールだったのである。今となっては、アラブ諸国やシンガポールなどの活躍で、そうした先入観は薄れてきたものの、雪が豊かさの象徴であるというのなら、日本は申し分のない裕福な国といえる。なぜなら、我が国は世界でもっとも雪深いからである。