結果、子どもは何を学ぶでしょう。

「欲しいものがあれば、ねだればいい。『ダメよ』と言われるのは最初だけ。何を言われても欲しがり続け、聞いてくれなくても泣き続ければ、最終的に欲しいものは手に入る」ということではないでしょうか。

親がなぜ根負けしてしまうのかといえば、子どもに泣かれるのが嫌だから、ぐずられるのが面倒だからです。自分が早くこの苦痛から逃れたいからです。

子どもの問題というよりも、じつは親自身の問題なのです。

たとえ自分はつらくとも、子どもの将来のためには、今、何を選択すべきなのかを考える。

そして、これが最良の道だと思ったら、泣かれようがぐずられようが、毅然きぜんと決めたことを貫く。子どももそのうち、必ずあきらめます。

「子育てに厳しさが必要」とは、親自身に求められていることなのです。

嫌がる子供に食べさせようとする母親
写真=iStock.com/skynesher
子どもがぐずっても毅然とした対応を

主導権を渡してはならない

「子どもが、言うことを聞いてくれなくて……」

と言うお母さんの悩みを耳にすることがあります。

たしかに、何でも親の思いどおりにはいきませんから、子育てにそんな悩みがつきものであることはわかります。

でも、ちょっと考えていただきたいことがあります。それは、親と子の、どちらが主導権を握っているのかということです。

子どもに対して、いつも場当たり的な対応をしていると、子どもは自分のペースに巻き込もうと、あの手この手で親を試すようになります。

泣く、ぐずる、大声でわめく、かんしゃくを起こす……などなど。これらは親を困らせることで、結果として自分の要求をかなえようとしているのです。

それに負けて子どもの言いなりになったり、親が言うことを曲げてしまったりすることは、親が子どもに主導権を渡していることを意味します。