「子どもを叱れない親」の問題点
今、子どもを叱れない親が増えています。
「叱ると、泣かれたりぐずられたりして、そのあとが面倒」
「子どもの機嫌を損ないたくない」
「子どもに嫌われたくない」
といった理由です。
でも、「叱る」ということがなければ、子どもは自分の誤った行動を直すことができません。正しくないことをしたとき、ルールに反することをしたときは、「それはいけないことだ」「行動を改めなければならない」と知ることが必要です。
子育てには「厳しさ」が必要なのです。
こう言うと、お母さん、お父さんのなかには、子どもをきつく叱りつけることが厳しさだと誤解される方がいます。
これは「厳しさ」の意味を取り違えています。
大事なのは、「子どもに厳しくするということは、それ以上に親が自分自身に厳しくあらねばならない」ということです。そのことが忘れられています。
ぐずる子どもは「親自身の問題」
たとえば、子どもが「あれが欲しい」「これがやりたい」と言ってぐずることがあります。
親もはじめは、子どものわがままだと思って「ダメよ」と言います。
ところが、「ダメよ」と言われたくらいで、子どもはあきらめてくれません。親の言葉などまったく耳に入らないかのように、ぐずり続けます。
それでも親が言うことを聞いてくれないと、泣くという手段に打って出ます。しかも、次第にそのボリュームを上げていくという……。
こうなると、親も手の施しようがなくなり、
「仕方ないわね。今日だけよ」
「もう、全然言うこと聞かないんだからー」
などと不満を漏らしながらも、欲しがるものを買い与えたり、子どもの言うとおりにしたりして親が折れてしまいます。