中学受験と習い事・スポーツの両立は可能なのか。プロ家庭教師集団名門指導会の西村則康さんは「サッカーや野球など団体スポーツを続けながら、塾に通って難関中学に合格する子供もいますが、それはもともと特別に地頭の良い子であることが多く、あまり参考にならない。どちらもやらせたがる親がいるが、結末はイマイチとなるケースが目立つ」という――。
若い友達の輪
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです

中学受験に挑む子が続けてもいい習い事、ダメな習い事

近ごろの小学生は、本当に忙しい。低学年、あるいは未就学児のときから水泳、体操、ピアノ、英語、公文、そろばん、プログラミング……と、さまざまな習い事をかけ持ちしている。そこへ「大手塾の人気校舎は低学年から入れておかないと、4年生からでは入塾できないらしい」とどこからか噂が広まり、低学年からの塾通いが急増している。

子供の可能性を信じて、いろいろなことを経験させること自体はいいことだ。しかし、1週間がすべて塾や習い事でスケジュールがぎっしり詰まってしまっている状態は、さすがにやらせ過ぎ。そういう状態になってしまうと、子供は習い事を楽しむどころか、決められたスケジュールをこなすだけになってしまう。

小学生の子供には、何もしないぼーっとした時間が必要だ。その時間にこそが、想像力が育まれる。また、自然の中で遊ぶことも大切だ。これらの身体を使った経験が考えを巡らせるベースとなる。近年、思考力を求める入試問題が増えている中学受験において、この“子供なりの経験”がとても重要になる。思考力とは、「あ、あのときにやったことと似ているな」「前に見たことがあるな」と自分の経験と今ある知識を使って考えを広げ、深めていくことだからだ。