日々何かにイライラ
4月末、母親は週2回デイサービスに通い始める。
その頃の母親は、
・新しいことを覚えられない
・家中のものを片付けたがるが、どこへやったか忘れる
・介助を嫌がり、「放っておいて」と言う
という症状が出ていた。
早瀬さんは、口数が少なく、何を感じ、何を考えているのかわからない母親にイライラしていた。
「父の生前、『だらしない!』と非難していたことを、今母自身がやっている時、特にカッとしてしまいます。細かいことですが、使ったタオルや脱いだ服をそこら辺に置きっぱなし、左手にコップを握りしめてご飯を食べる、同じ服や下着を着続ける、髪の毛などで洗面所を汚してもそのまま、裸で家中をウロウロする、トイレを流さない、などがそうです。息子より何をしでかすかわからない母を優先してしまうため、息子に我慢させてしまったことにも罪悪感を覚えますし、日々何かにイライラしている自分が嫌になります」
母親に洗濯物干しを頼むと、半分以上を干さないでそのまま放ったらかしにして数時間経過。それを早瀬さんが発見して干し直すと、さらにそれを母親が干し直すということもしばしば。
母親は、歯磨きは早瀬さんが言わないとやらず、朝晩歯磨きの声かけをしているが、声かけしてもなかなかしようとしない。何度も声かけすると、「わかったわよ!」といら立つ母親。早瀬さんもイラッとした。
早瀬さんがイライラさせられるのは、キッチンに1つでも食器があると洗う几帳面な母親だったが、洗い残しを見つけたとき。冷蔵庫や冷凍室などを開けっぱなしで長時間ゴソゴソ中を物色し、結局何も取り出さないとき。分別できないので、「やらなくていい」と言ってもゴミの整理をしようとするとき。歯磨き、食器洗いなどの時、水を出しっぱなしにするときだった。