現在40代の女性は、小さな頃から憧れていた青年海外協力隊に25歳で参加。西アフリカの国に赴任し、現地の7歳下の教員の男性と恋に落ち、帰国後に結婚。ところが、ある日、夫の不倫が発覚。それも複数人との接点が露呈した。離婚すると、1歳半の息子とともに実家に転がり込むが、コロナ禍で父親が腰の痛みを訴え、救急搬送された――。
この連載では、「ダブルケア」の事例を紹介していく。「ダブルケア」とは、子育てと介護が同時期に発生する状態をいう。子育てはその両親、介護はその親族が行うのが一般的だが、両方の負担がたった1人に集中していることが少なくない。そのたった1人の生活は、肉体的にも精神的にも過酷だ。しかもそれは、誰にでも起こり得ることである。取材事例を通じて、ダブルケアに備える方法や、乗り越えるヒントを探っていきたい。
母親の目を気にして育った長女
早瀬須美さん(40代・独身)は、知人の紹介でお見合い結婚した薬品メーカーに務める39歳の父親と、パートとして社員食堂で働く35歳の母親のもとに長女として生まれた。4歳上には兄がおり、きょうだい仲は良かった。
ただ、母親は人を非難したり悪く言ったりするなど、マイナス面ばかり指摘するタイプで、人を褒めるのは下手だった。そのため、幼い頃の早瀬さんは自尊心が傷つき、自分に自信が持てずに育った。
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