苦手な上司とは飲みに行ったほうがいいワケ
そうはいっても、「自分ではどうしようもない人がいる」という場合もあるでしょう。
特に、パンデミック以降はストレスが増えたせいか、より怒りやイライラがひどくなっている人が増えているかもしれません。
ただ、ひとつみなさんに心に留めていただきたいのは、相手だけでなく、あなたもまた変化しているということです。
「わたしは変わらない」と思う気持ちはわかりますが、そもそもこの世に変わらないものなどありません。
もしかしたら、あなたの気持ちも落ち込み気味だから、これまでは処理できていた怒りに駆られてしまうのかもしれません。
だからこそ、やはり自分を害する怒りの感情をコントロールすることが必要です。
怒りをぶつけるのではなく、むしろあなたが精神的に成長すれば、嫌な相手との縁は自然と細くなっていく。すると、目の前の景色もまた変わっていくでしょう。
もしあなたに苦手な上司がいて、まだあなたが会社を辞めるつもりがないのであれば、やはり苦手な彼ら彼女らと向き合うしかありません。
もちろん、無理をして自分を追い詰める場合もありますから、「いつでも逃げていい」のが大前提です。
ただ、概して上から目線で接してくる人は、実は「硬くなっている」のです。
そこで、もし気持ちに余裕があるなら、案外効果のあるアプローチとして、「許せない人と飲みに行く」方法もあります。まさに物理的に正面から向き合うわけですね。
飲みニケーションは禅の教えでもある
「1対1なんてあり得ない!」と思うかもしれませんが、他愛もない話を和やかにするだけでいいのです。そうして会社の外で向き合うステップを踏むことで、わだかまりが解けたり、ハードルを越えられたりすることは案外多いとわたしは見ています。
なぜなら、会社ではどうしても仕事モードになって、いわばお互い鎧を着けて話しているようなもので、どうしてもぶつかりがちになるからです。
「とりあえず飲みに行けばなんとかなるなんて、ただの昭和の“飲みニケーション”じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんね。
でも、飲みニケーションはそんなにいけないことでしょうか? それこそ、そんな「いい、悪い」にこだわらなくてもいいんですよ。
もちろん、それを強制してはいけませんが、いまは人と接することに対して少し神経質になり過ぎている面もあるようです。
コミュニケーションが密接でないことで、救われる人がいるのはとてもいいことです。
一方で、正面からコミュニケーションするのを避けたために、相手の真意が見えなくなり、誤解や孤立を招いている面もあります。
相手と向き合う機会がなくなって、お互いに疑心暗鬼になってしまうわけですね。