女子ボスからの攻撃回避法
女子ボスのターゲットになったら、またはされそうになったらどうしたらいいのか。私はこれまで、女子ボスによるあらゆるハラスメントの相談に対応してきたが、ハラスメントの問題は「誠実さと正論」だけでは解決できないことを知った。
多種多様なやり口を使って攻撃をしてくるのだから、当然と言えば当然だ。そして、ハラスメントは言わば「心理戦」であることも知った。自分の心を守るための技を身に付ける、見えない「心の武器」を持つことを教えてもらった気がする。
女子ボスのターゲットになってしまった場合、女子ボスのいる環境からすぐにでも離れることが一番の解決策だが、かといってそう簡単にはいかないのが現実である。
「すぐに会社は辞められない」
きっと多くの方が、そう思うだろう。ここからお伝えしたいことは、もしあなたが女子ボスのターゲットになってしまったら、悔しさやプライド、誠実さはいったん脇に置き、自分の身を守ることに集中してほしいということだ。
まずは自分自身が落ち着くこと、そして女子ボスや組織の人間関係をよく観察してみることだ。戦うためには、何よりも相手を知ることが大事だからだ。そうすると、女子ボスの精神的弱点や、組織の人間模様がクリアに見えてくる。
まずは、あなたの心を守ることが一番だと考え、敵の弱点を見抜き、女子ボスより精神的に有利に立つための「心の技」を身に付けていただきたい。
① 必要以上に関わらない
女子ボスは、相手の話を「受容する」という姿勢が欠けているので、まともに会話ができないことが多いといえる。そういった人とは、必要以上に関わることを避け、会話そのものを減らしていくことが重要である。
しかしそれでも、同じ職場の場合は、毎日顔を合わせることになり、定期的にどうしても顔を合わせなければならない人もいるだろう。こういった場合は、とにかく「会話を広げない」ことである。挨拶だけはにこやかに、元気よく。2人きりになったら、とにかく仕事に集中する。もし、何かを聞かれて答えなければならない状況になったときなどは、短く穏やかに、そしてはっきりと言い切る。この「言い切る」ということが、とても大事である。
② 情報を与えすぎない
女子ボスは、自身の心の中が常に不安で揺らいでいるため、他人に対して根掘り葉掘りさまざまなことを尋ねてくる。例えば、家族構成や休日の過ごし方など、個人的なことも含めてだ。うっかり素直に何でも話してしまうと、思わぬところを狙われ付け込んでくる可能性が高まる。平気でプライバシーの侵害をしてくるため、こちらが情報を与えすぎないことだ。「情報を与えないこと=境界線を引くこと」になるので、聞かれたことに答えすぎないことが大事である。
③ 「リアクションワード」で事前準備
相手からの攻撃的な言葉や嫉妬の矢は、突然やってくることが多い。あまりにも突然のことに、とっさに言葉が出てこないこともあるだろう。また、耳を塞ぎたくなるようなひどい言葉や態度に衝撃を受けて、頭が真っ白になってしまうこともある。そして、しばらく時間が経過してから自分の気持ちに気づき、後からだんだんと腹が立ってくるということも多いのではないだろうか。
そんなときのために、「リアクション」を考え準備しておくことは、自分の身を守るための技の1つである。
人格を否定するような言葉が飛んできた時のために、重みのある「リアクションワード」を準備しておくといい。そしてあなた自身も、自己主張ができたと思える「スッキリ」できる言葉だとさらにいいだろう。
具体的には、「は?」「こわ!」という短いワンワードや、「今の言葉は少々失礼ですね」といった責め立てるわけでもない、怒りをぶつけるわけでもない、でもスカッとするあなた専用のリアクションワードを、自分のために準備しておくことを強くおすすめしたい。あなたの身を守ることが、まずは何よりも大事なのだから。