水災補償はハザードマップと照らし合わせて検討を

水災とは、「洪水」「高潮」「土砂崩れ」のことです。床上浸水した際の建物や家具の損傷、土砂崩れによる家屋の倒壊などによる損害が補償されます。ただ水災部分の保険料は高く、海や河川、山から離れているとか、マンション住まいといった理由で、水災の補償を外して契約する人も多いようです。

たとえ山や河川などから離れていても、短時間に多量の雨が降った場合、マンホールや側溝から雨水が地上にあふれる都市型の洪水も起こり得ます。安易に水災を外すのはお勧めできません。

一方、水災補償の支払基準は、「30%以上の損害を受けた場合」あるいは「『床上浸水』または『地盤面から45cmを超える浸水』によって損害が生じた場合」です(保険会社によって基準が異なる場合あり)。補償内容と住んでいる地域のハザードマップ等を参考に検討をしてください。

家屋の周りに発生している地割れのイメージ
写真=iStock.com/adventtr
※写真はイメージです

地震保険料は全国平均0.7%の引き下げに

気を付けたいのが、地震や津波、噴火による損害は、火災保険では補償されないことです。地震保険単独では加入できず、火災保険に付帯することでこれらの損害をカバーできます。地震災害の特異性は、どのような巨大損害が発生するか予測できないことです。火災保険と地震保険は必ずセットで加入してください。

10月には地震保険料の見直しも行われます。保険料不足解消や地震発生頻度の増加傾向といった引上げ要因と、耐震性の高い住宅の普及などによる引き下げ要因があり、結果としては全国平均0.7%の引き下げとなります。

地震保険はどこの保険会社で契約しても補償内容や保険料は同じです。火災保険の保険料を改定しない保険会社であっても、10月以降に開始する地震保険の保険料は変わります。改定前後の試算の際は、火災保険と地震保険を併せて行うとよいでしょう。

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