現状の「消費行動」を白紙にする必要がある
値上がりラッシュが止まりません。ロシアによるウクライナ侵攻という衝撃的な出来事の影響はありますが、もともと、世界的な異常気象や天候不順、輸送コストの上昇、中国やインドなどの経済成長による世界的な需要の拡大など、複数の要因が絡まり合ってもたらされたものです。そのため、食料品やエネルギーなど、暮らしに不可欠な分野での値上がりはすでに続いていました。
食料をはじめとする資源の奪い合いも懸念されていますが、賃金が伸びずGDPが低成長の日本は、国際的に買い負けているとの指摘もあります。値上げの動きが一過性のものではないとするならば、私たちは、現状の「消費行動」や「当たり前」を白紙にして、「家計の支出構造自体を見直す」必要があります。
そのためには、基本中の基本である、「何にどのくらい使っているのか」を知らなくてはなりません。たとえば、一般的な家計簿の費目は図表1のようなものです。
食費や日用品を節約しようとすると燃え尽きる
「家計の支出構造自体を見直す」ためには、一般論はともかく、わが家の場合、どのような対処法があるのか、その対処法を実行すると、どれくらいの効果があるのか、などを知ることが第一歩です。ところが、図表1のような費目で管理していると、使いづらいというのが正直なところです。また、お金の使い方は千差万別です。一般的な費目に合わせようとすると、実態とかけ離れたものになってしまう可能性があります。
一般的な費目にこだわらず、「家計の支出構造自体を見直す」という目的に照らした、わが家仕様の費目づくりからスタートしましょう。
見直しの鉄則は、大きいところから始めて、だんだん小さいところに降りていくことです。食費や日用品を節約するために「コンビニやスーパーに行く回数を減らす」「1円でも安い店を探す」などとジタバタすると、ストレスの割に効果が小さく、燃え尽きてしまう可能性が高いからです。したがって、ここでは食費や日用品費の節約ではなく(もちろんこれも大切ですが)、「決まって出て行くお金」を取り上げます。