現在の保険金額が過剰になっている可能性は高い

私たちは、すでに公的年金や公的医療保険のために保険料を支払っています。現役時代に死亡したり障害を負ったりした場合は遺族年金や障害年金が支給されます(要件あり)。サラリーマンであれば、病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金が支給されますし、高額療養費の制度により、医療費には上限が設けられています。また、勤務先から死亡退職金や弔慰金等の支給があるかもしれません。

保険商品は所定の要件に該当したときに金銭が支払われる契約なので、手持ちの貯蓄や資産があれば、その分保険金額は減らせます。また、住宅ローンを組んで持ち家を取得した場合、住宅ローン契約者が死亡すると残債は清算され、無借金の家が残ります。

万一のときには子どもの教育資金くらいは残したいと考えて保険に加入した場合、その子どもは契約年数分成長していますし、教育資金も加入時よりは貯まっているか、すでに責任は果たし終えているかもしれません。

このように考えていくと、現在の保険金額が過剰になっている可能性は高く、適正規模に見直す余地はありそうです。しかも、営業職員に勧められて加入したという場合、インターネット等の通信販売で加入することにより、さらに保険料を抑えることができます。

聖域への切り込みは習慣を変えることと同じ

たとえば、ある40歳男性は、加入している保険が更新時期を迎え、月々の保険料が1万5000円から2万7000円にアップするのを機に、保険金を減額してネット生保に加入することにしました。すると、月々の保険料は入院保障込みで5000円に抑えられました。年間18万円から6万円と3分の1の減少です。

インターネットで保険料のシミュレーションができますので、健康状態に問題がない人は、現在加入している保険会社に縛られることなく、複数社で試算をしてみてはいかがでしょうか。

家計費を計算する人間の手
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

食費や水道光熱費など、生きていくのに不可欠な領域での値上がりが常態化しそうな中、これまで当たり前と思い込んでいた支出に切り込むことは避けて通れません。そのためには、習慣化した行動パターンや消費のあり方を変えることも必要になってきます。自分のなかの(あるいは家族のなかの)抵抗勢力とも戦わなければなりません。

一気に進めようとするのではなく、今回取り上げた支出以外にも、できそうなところを見つけて少しずつ実行し、その効果を確認しながら、徐々に広げていってはどうでしょうか。

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